個人事業主におすすめのガソリンカードランキング!選び方のポイントを解説

車を使って営業や移動を行う個人事業主にとって、ガソリン代は大きな経費のひとつ。そんな中で注目されているのが、給油時の割引や経費管理に便利な「ガソリンカード」です。カードによっては特定のスタンドでの割引や請求書払い、明細の一括管理など、事業に役立つ機能が充実しています。本記事では、個人事業主におすすめのガソリンカードをランキング形式で紹介し、選び方のポイントや活用法についてもわかりやすく解説します。
ガソリンカードとは?個人事業主が使うメリット

ガソリンカードとは、ガソリンスタンドでの給油時に利用できる専用のクレジットカードまたはハウスカードであり、ガソリン代の割引やポイント還元などの特典が付帯しているのが特徴です。とくに自動車を日常的に使う個人事業主にとっては、経費の削減や業務効率化につながる便利なツールとして注目されています。
個人事業主は業務上の移動に車を利用することが多く、毎月のガソリン代が大きなコストとなるケースも少なくありません。ガソリンカードを活用することで、その負担を軽減しつつ、経費管理をスマートに行うことが可能です。ここでは、個人事業主がガソリンカードを使うことで得られる3つの代表的なメリットを詳しく解説します。
ガソリン代が割引・ポイント還元でお得
ガソリンカードを利用する最大のメリットのひとつが、給油価格の割引やポイント還元が受けられることです。たとえばENEOSカードSやapollostation cardといったガソリン会社系のカードでは、1リットルあたり2〜5円程度の値引きが適用されることがあります。月に100リットルの給油をする個人事業主であれば、年間で数千円から数万円のコスト削減が可能です。
さらに、多くのガソリンカードでは利用金額に応じてポイントが貯まり、そのポイントを次回の給油時に割引として使える仕組みも整っています。ENEOSカードPやシェルPontaクレジットカードなどは、ガソリン代以外の買い物でもポイントが貯まりやすいため、経費全体の還元率アップにも貢献します。
加えて、ガソリンスタンドによっては曜日や時間帯による特別割引や、アプリとの連携によるクーポン配布など、カード利用者限定の特典も用意されています。これらの特典を活用することで、単純な現金払いよりも大幅にお得にガソリンを入れることができます。
経費精算がスムーズになる
個人事業主が事業用で発生するガソリン代を経費として計上するには、領収書の保管や帳簿への記録など煩雑な管理が必要になります。しかし、ガソリンカードを活用すれば、毎月の利用明細書がそのまま経費の証拠書類として使えるため、手間を大幅に削減できます。
とくに「法人専用カード」や「個人事業主向けガソリンカード」では、利用履歴がWeb明細で確認できる仕組みが整っており、確定申告や月次会計の際にもスムーズなデータ管理が可能です。利用用途が「ガソリン代」に限定されているカードも多く、仕訳の分類もしやすくなる点もメリットです。
また、複数枚のカードを発行できるタイプであれば、従業員や配送スタッフに渡しておくことで、それぞれのガソリン代を個別に管理しつつも、事業主側では一括で経費処理が可能になります。
クルマ関連支出の一元管理が可能

ガソリンカードは、ガソリン代だけでなく、高速道路のETC料金や洗車、オイル交換などのクルマ関連費用をまとめて管理できるものも多くあります。とくにENEOS BUSINESSカードやapollostation BUSINESSのような法人・個人事業主向けのカードでは、こうしたサービスが充実しており、車両運用コストを一元的に把握・管理することが可能です。
たとえば、ETC協同組合が発行するガソリンカードでは、ETCカードとガソリンカードの併用により、高速料金と給油代をひとつの明細にまとめることができるため、帳簿管理がより効率的になります。
また、クルマの利用頻度や給油量の把握も明細を通じて簡単にできるため、車両ごとのコスト分析や経費の見直しにも役立ちます。こうした点からも、個人事業主がガソリンカードを導入する意義は大きいといえるでしょう。
参考:個人事業主向けガソリンが安くなるクレジットカード5選【お得に後払い】
個人事業主におすすめのガソリンカードランキング【2025年版】

ガソリン代を少しでも抑えたい個人事業主にとって、ガソリンカードは心強い味方です。給油ごとに割引が受けられるカードや、ポイント還元で実質コストを削減できるカードなど、目的や使い方に合わせて最適な一枚を選ぶことが重要です。ここでは2025年最新の情報をもとに、個人事業主におすすめのガソリンカードをランキング形式で紹介します。
1位:apollostation card|出光系列で全国対応
おすすめポイント:
- 出光・apollostationで1Lあたり最大7円引き
- 年会費無料(条件あり)でコスト負担も少ない
- まいどプラス特典により給油以外のショッピングもお得
出光興産が発行する「apollostation card(旧まいどプラス)」は、全国の出光・apollostationスタンドで利用可能なガソリンカードで、個人事業主の利用者から圧倒的な支持を集めています。給油時には最大7円/Lの割引が受けられるうえ、全国の提携店舗でもポイントが貯まり、経費効率の向上に大きく貢献します。
特に月間の給油量が多い業種(配送業、訪問サービス業など)では、年間を通じたコスト削減額も大きく、事業経費としての効果が非常に高い一枚といえるでしょう。ETCカードの同時発行にも対応しており、高速道路の利用頻度が高い個人事業主にとっても利便性が高いのが特長です。
2位:ENEOSカードS|高い割引率と使いやすさが魅力
おすすめポイント:
- 最大2円/Lの値引き+ポイント還元あり
- 全国13,000カ所以上のENEOSスタンドで利用可
- ETCカードの無料発行にも対応
「ENEOSカードS」は、国内最大級のネットワークを誇るENEOSスタンドで利用できるクレジット型ガソリンカードで、個人事業主からの人気も高い一枚です。給油ごとに自動的に値引きが適用され、利用額に応じてポイントも加算されるため、実質的な割引効果は業界でもトップクラス。
また、ENEOSのスタンドは都市部から地方まで幅広く展開しているため、出張や営業などで移動の多い個人事業主にも最適です。ポイントはTポイントやENEOS独自のポイントとしても活用でき、ガソリン代以外の支出にも使えるのが魅力です。
3位:コスモ・ザ・カード・オーパス|現金特価並みの価格で給油
おすすめポイント:
- 全国のコスモ石油で会員価格で給油可能
- イオングループとの提携によりWAONポイントも貯まる
- ETCカードや家族カードの追加発行も簡単
「コスモ・ザ・カード・オーパス」は、コスモ石油の会員価格で給油できるガソリンカードで、ガソリン代の節約を徹底したい個人事業主に適しています。とくにイオン系列との連携により、WAONポイントが付与される点がユニークで、事業に関係する買い物でもポイントが貯まりやすくなっています。
年会費無料で気軽に持てる点も魅力で、導入コストをかけずに即時運用できるのが強みです。また、支払いに関する明細がWebで簡単に確認できるため、確定申告の際の経費計上もスムーズに行えます。
4位:JAカード|JA-SS利用者に最適
おすすめポイント
- JA-SSでの給油が2円/L引き(地域により異なる)
- 全国のJAサービスステーションで利用可能
- JA組合員ならさらに優待制度あり
農業・建設・林業など地方での車両利用が多い業種の個人事業主には「JAカード」が最適です。JA-SSでの給油割引に加えて、JA関連サービスの優待も受けられるため、事業に役立つ特典が多数含まれています。
また、JAバンクの利用実績がある場合、審査が通りやすいという声も多く、開業間もない個人事業主でも導入しやすい一枚です。農村部など都市部に比べてENEOSや出光のスタンドが少ない地域では、JAカードの利便性が際立ちます。
5位:シェルPontaクレジットカード|出光昭和シェルでポイント倍増
おすすめポイント
- 出光昭和シェルでの給油でPontaポイント2倍
- ローソンなどの提携店舗でもポイント高還元
- 年会費実質無料&ETCカードも発行可
「シェルPontaクレジットカード」は、ポイント重視でガソリンカードを選びたい個人事業主におすすめです。出光昭和シェルのスタンドでの給油に加え、ローソンやGEOなどの提携先でもポイントが貯まりやすく、事業用の支出で効率よくポイントを獲得できます。
また、通常のクレジットカードと同じようにショッピングでも利用でき、用途の幅が広いのも特長。事業の固定費支払いをこのカードに集約することで、実質的な還元率を高めることも可能です。
参考:個人事業主やフリーランスが経費計上で使うとよいガソリンカード8選
ガソリンカードの選び方ガイド

個人事業主にとって、ガソリンカードの選び方は単なる節約手段にとどまりません。効率的な経費管理や業務の円滑化にも大きく関わるため、慎重な比較検討が必要です。カードごとに提供されるサービスや特典は異なるため、自身の事業スタイルや車の使用頻度に合わせて選ぶことが、コスト削減と業務効率化のカギとなります。
ここでは、個人事業主がガソリンカードを選ぶ際に注目すべき5つの視点について詳しく解説します。
よく使うガソリンスタンドで選ぶ
まず最初に考えるべきポイントは、「どのガソリンスタンドをよく利用しているか」です。ガソリンカードは、特定のブランド(ENEOS、出光、コスモ石油など)専用のものが多く、利用可能なスタンドが限られている場合もあるため、普段の給油先とカードの対応状況を照らし合わせる必要があります。
たとえば、全国に多数の拠点があるENEOSスタンドを頻繁に使うのであれば「ENEOSカード」シリーズが候補に挙がりますし、出光apollostationが近隣にあるなら「apollostation card」や「シェルPontaクレジットカード」が選択肢になります。
また、地方で事業を営む個人事業主であれば、JA-SSや宇佐美といった独自系列のスタンドが中心となるケースもあり、それらに対応したカードを選ぶことが経費効率化につながります。
スタンドブランドごとのカードは、スタンドごとの契約価格が適用されるケースが多く、現金払いよりも安価に給油できる場合もあるため、まずは自分の活動範囲にあるガソリンスタンドを洗い出すことが大切です。
割引率・ポイント還元率で選ぶ
次に注目すべきは、ガソリンカードごとの「割引率」や「ポイント還元率」です。多くのカードでは、給油1リットルあたり◯円割引、あるいは利用金額に応じたポイント還元などの特典が設けられています。
たとえば、「apollostation card」では最大7円/Lの割引が可能で、利用額が多い個人事業主には非常に効果的です。一方で「ENEOSカードS」は安定した2円/Lの値引きに加えて、Tポイントなどとの併用でさらに還元率を高めることが可能です。
ポイント重視で選ぶ場合は、「シェルPontaクレジットカード」や「JCB CARD W」のように、特定店舗でポイント2倍・3倍になるカードもあります。ポイントはガソリン代だけでなく、他の経費や消耗品購入にも使える場合が多く、実質的な事業支出の削減に役立ちます。
個人事業主にとっては「少額でも継続的に積み上がる還元」が非常に重要なので、自分の給油量や支出傾向を踏まえて、どのカードが最も還元効果が高いかをシミュレーションして選ぶことがポイントです。
年会費・発行手数料で選ぶ
次に重要なのが「年会費」と「発行手数料」です。ガソリンカードの中には、年会費が無料のものと、有料のものがあります。有料の場合でも、条件を満たすことで実質無料になるものもあるため、条件の確認が欠かせません。
たとえば、「apollostation card」は年1回の利用があれば年会費が無料となるため、実質的にはほぼ負担なしで利用できるカードです。また「コスモ・ザ・カード・オーパス」や「JAカード」なども年会費無料で導入できるため、初期コストを抑えたい個人事業主に適しています。
一方で、「apollostation THE GOLD」や「ENEOSカードC」などのゴールドカード系は年会費が発生するものの、補償やサービス内容が充実しているため、高頻度利用者や事業規模が大きい事業主にはメリットがあります。
発行手数料も重要で、無料で即日発行できるカードもあれば、数千円かかる場合もあります。コスト感度の高い事業運営をしている個人事業主は、事前にコスト項目を比較した上で選定するのが望ましいでしょう。
付帯サービス(ETCカード・ロードサービス)で選ぶ

ガソリンカードを選ぶ際には、メインの給油割引やポイント還元に加えて、「付帯サービス」にも注目すべきです。とくにETCカードの同時発行が可能なカードは、ガソリン代と高速代を一括で管理できるため、経費精算や記帳業務の効率化に直結します。
「ENEOSカード」や「apollostation card」では、ETCカードの追加発行に対応しており、複数車両での管理もスムーズです。さらに「ロードサービス」が付帯しているカードもあり、万一のトラブル時にレッカー移動やバッテリー上がり対応などが無料で受けられるのも魅力です。
また、法人向けガソリンカードの一部では、車両管理機能(車両ごとの給油履歴管理)やWeb明細閲覧機能、走行距離レポートなども提供されており、管理業務の自動化にも貢献します。
これらのサービスは、ガソリンカードを単なる「決済手段」から「業務効率化ツール」へと進化させてくれる存在であり、事業規模が大きくなるほど導入メリットが増していきます。
審査なし・法人専用カードも検討
最後に、開業直後やクレジット審査に不安がある個人事業主にとって重要なのが、「審査なしで発行できるカード」の存在です。通常のクレジット機能付きガソリンカードでは、信用情報に基づく審査が行われますが、ETC協同組合や高速情報協同組合が発行する法人向けガソリンカードであれば、クレジット機能なし・審査不要で導入が可能です。
これらのカードは、「出資金」を支払って協同組合に加入し、ガソリンカードを発行してもらう仕組みで、法人・個人事業主の双方に対応しています。給油量に応じた割引が適用され、利用明細も発行されるため、通常のカードと同様に経費管理にも対応できます。
審査なしカードの多くは、ガソリン専用カードやETCカードとセットで提供されることが多く、審査ハードルを下げたい事業者や、新規開業者にも心強い選択肢となります。
なお、法人専用カードは事業専用に設計されているため、経費精算や帳簿管理がしやすく、個人用カードとは別に事業専用カードを持つことで、プライベートとビジネスの支出を明確に分けられるという利点もあります。
参考:審査なしの個人事業主おすすめガソリンカード比較8選|作成方法・給油値引き・経費計上のメリット
審査なしで発行できる協同組合系カードの活用

クレジットカードの審査に不安がある個人事業主や、開業間もない事業者にとって、「ガソリンカードを作りたくても審査に通るか分からない」という悩みは少なくありません。そんなときに有力な選択肢となるのが「協同組合系ガソリンカード」です。
協同組合が発行するカードは、原則としてクレジット審査が不要で、事業用に特化した機能を備えているため、個人事業主でも安心して利用できます。ここでは、代表的な協同組合系ガソリンカードである「ETC協同組合」と「高速情報協同組合」について、それぞれの特徴やメリット、申込方法などを詳しく紹介します。
ETC協同組合のガソリンカード|審査不要で導入ハードルが低い
ETC協同組合が発行するガソリンカードは、クレジット機能を持たず、審査不要で発行できる点が大きな特徴です。組合へ出資金(例:1万円程度)を支払い、事業者登録することで、法人・個人事業主問わずガソリンカードやETCカードを発行してもらえます。
このガソリンカードは、特定のガソリンスタンドチェーン(例:ENEOS、出光、コスモ石油など)での給油時に契約価格が適用され、現金よりも割安な価格で燃料を調達できるのが魅力です。また、ガソリンカードとETCカードをまとめて発行することもできるため、事業用車両を複数所有する個人事業主にとっては大きなメリットとなります。
さらに、利用明細は毎月郵送またはWebでの確認が可能で、帳簿付けや経費管理もスムーズに行えます。審査が通らず一般のガソリンカードが作れなかった方や、開業間もないタイミングであっても導入できる点で、ETC協同組合のガソリンカードは非常に有効な手段です。
高速情報協同組合|深夜・休日割引も活用可能
もうひとつの代表的な選択肢が「高速情報協同組合」が提供するガソリンカードです。こちらもクレジット機能なし・審査不要の法人専用カードで、個人事業主や小規模法人でも安心して申込みできます。
この協同組合のガソリンカードは、ガソリンの割引はもちろん、深夜・休日の給油時に割引率がアップする「時間帯特価」も導入されており、走行時間が不規則なドライバーにとって大きなメリットがあります。特に軽貨物配送や深夜営業を伴う業種では、時間帯による給油コストの差が月間経費に直結するため、こうした特典は非常に効果的です。
さらに、ガソリンカード単体だけでなく、車両の燃料使用量の明細やドライバー別の給油履歴管理も可能。個別管理が必要な業種においては、経理業務の効率化や不正使用の抑止にもつながります。必要書類も比較的簡易で、法人登記簿や開業届など最低限の事業証明があれば申請できる点も魅力です。
利用方法と申込フロー
協同組合系のガソリンカードを利用するには、いくつかのステップを踏む必要がありますが、一般的なクレジットカードよりも導入は簡単です。ここでは代表的な申込手順を紹介します。
ステップ1:協同組合への加入申請
まずは利用したい協同組合(ETC協同組合や高速情報協同組合など)のWebサイトから申込フォームを送信します。申込みは法人・個人事業主を問わず可能で、オンラインで完結するケースもあります。
ステップ2:必要書類の提出
申込後、組合から案内される必要書類(開業届や身分証明書、車検証など)を郵送またはアップロードで提出します。法人の場合は登記簿謄本や代表者の印鑑証明などが必要になることもあります。
ステップ3:出資金・発行手数料の支払い
加入時には出資金や発行手数料(あわせて数千円〜1万円程度)が必要です。これらは組合の運営に充てられる費用で、脱退時には返金されるケースもあります。
ステップ4:カードの発行・利用開始
手続きが完了すると、1〜2週間程度でガソリンカードが発送されます。届いたその日から利用が可能で、給油時に提示することで契約価格が適用されます。
ステップ5:月末締め・翌月支払い(銀行振替)
利用代金は月末締め・翌月の指定日に銀行口座から一括引き落としされる仕組みです。クレジット決済とは異なり、資金繰りをシンプルに管理できるのも特長です。
参考:法人・個人事業主向けガソリンカード2選【クレジット機能なしで後払い】
ガソリンカードのデメリットと注意点

ガソリンカードは、個人事業主にとってガソリン代の割引や経費管理の効率化など多くのメリットがあります。しかし、その一方でデメリットや注意すべきポイントも存在します。これらを正しく理解した上で、事業に最適なカードを選ぶことが、後悔のないカード利用につながります。
ここでは、ガソリンカードを利用する際に気をつけたい代表的な3つの注意点について詳しく解説します。
年会費が発生するカードもある
ガソリンカードの中には、年会費がかかるものが存在します。たとえば、「apollostation THE GOLD」や「ENEOSカードC」などの一部のカードでは、年会費が2,000円〜10,000円以上発生するケースもあります。年会費がかかるカードは、ゴールドカードやビジネス向けカードなど、より充実した特典や保険が付帯していることが多いですが、事業の規模や使用頻度に見合っているかをしっかり見極める必要があります。
年会費が無料のカードでも、「初年度無料だが翌年以降は有料」「年に1回以上の利用で無料」といった条件付きの場合があります。こうした条件を満たさなかった場合は自動的に年会費が引き落とされるため、事前にカード規約を確認しておくことが重要です。
また、ETCカードを追加発行する際に年会費や発行手数料がかかるケースもあるため、「ガソリンカード本体は無料だけど、実際に運用してみたら費用がかさんだ」ということにならないよう、トータルコストを確認してから導入するようにしましょう。
ガソリンスタンドによっては割引対象外
ガソリンカードの多くは、特定のガソリンスタンドチェーンに特化しており、それ以外のスタンドでは「割引が適用されない」または「そもそも利用できない」というケースがあります。たとえば、「ENEOSカード」はENEOS系列のスタンドでしか特典が受けられず、出光やコスモ石油では割引対象外になります。
さらに、同じブランドでもスタンドによっては加盟形態が異なり、割引が適用されない「フランチャイズ店」も存在します。都市部ではガソリンスタンドの選択肢が多いため問題になりにくい一方、地方や郊外ではスタンドの数が限られており、「せっかくカードを作ったのに対応店舗が近くにない」という状況も起こり得ます。
こうしたリスクを避けるためにも、ガソリンカードを申し込む前に、自分の生活圏・営業圏内にある対応ガソリンスタンドを確認し、「実際に使えるかどうか」「割引が適用されるかどうか」をチェックすることが大切です。スタンドの公式サイトやカード発行会社の店舗検索機能を活用すると良いでしょう。
また、ガソリンカードの利用特典は「店頭価格から割引される」「契約価格が適用される」など、割引の仕組み自体が複雑なこともあるため、想定していた金額より高くなることもあります。明細をよく確認し、期待通りの値引きが適用されているかをチェックする習慣を持つと安心です。
参考:ガソリン代がお得になる最強カード15選!選び方やさらに安くなる裏技も伝授
一般クレジットカードより審査が厳しい場合がある
意外と見落とされがちなのが、「ガソリンカードの審査が一般的なクレジットカードよりも厳しい場合がある」という点です。とくに法人向けやビジネス専用のガソリンカードでは、申込者の事業内容や業歴、年収、信用情報などを総合的に審査されることが多く、開業間もない個人事業主や信用履歴の浅い方にとってはハードルになることがあります。
「ENEOS BUSINESSカード」や「apollostation BUSINESS」などのビジネス系カードは、法人や個人事業主に向けたサービスが充実している反面、申請時には開業届や確定申告書の提出を求められる場合があります。また、事業の信用度が問われるため、過去に金融事故があると否決されることもあるのが現実です。
一方、一般的な個人向けクレジットカードであれば、個人信用情報に基づいて審査されるため、事業の内容に関係なく発行される可能性が高くなります。ただし、事業用と私用を分けたい場合や、帳簿管理の観点からはビジネス用のカードを別で持つことが望ましいため、審査に不安がある場合は「審査不要の協同組合系カード」を選択するのも有効です。
開業初期でクレジットカードの審査に自信がない方は、まずは協同組合発行のガソリンカードを使いながら実績を積み、数年後にクレジット機能付きのガソリンカードへ切り替えるという段階的な選び方も現実的です。
よくある質問

Q. クレジットカード機能なしでも発行できる?
はい、可能です。特に「ETC協同組合」や「高速情報協同組合」が提供するガソリンカードは、クレジット機能がなく、審査不要で発行できるのが特徴です。これらのカードは、協同組合に加入することで発行され、給油代金は銀行口座からの口座振替で後日一括精算される仕組みとなっています。
クレジット審査に不安がある個人事業主や、開業直後で信用情報が十分でない場合でも利用しやすく、実際に多くの事業主が導入しています。審査が通らない場合の選択肢として非常に有効です。
Q. ガソリン代は経費にできる?
はい。事業用の車両にかかるガソリン代は、原則として必要経費として計上できます。ただし、プライベート利用との区別が必要なため、「業務使用分のみ」を対象にする点には注意が必要です。
たとえば自家用車を業務にも使用している場合は、業務で使った割合(按分)に応じて経費計上する必要があります。また、ガソリンカードの明細書や領収書を保管しておくことで、確定申告の際の証拠書類としても活用できます。
ガソリンカードの利用明細は「誰が」「どこで」「いくら使ったか」が明確に記録されているため、現金払いよりも経費処理の信頼性が高まり、帳簿管理の手間も省けるという点でおすすめです。
Q. 法人向けカードとどう違う?
法人向けガソリンカードと個人事業主向けガソリンカードにはいくつかの違いがあります。主な違いは以下の通りです。
- 発行対象の違い:法人向けカードは登記された法人(株式会社、合同会社など)を対象とし、個人事業主向けカードは開業届を提出済みの個人事業者が対象となります。
- 管理機能の違い:法人向けカードは複数の社員に対してカードを発行できる「子カード」制度や、車両ごとの利用明細管理、走行履歴のレポート出力など、より高度な管理機能を備えています。
- 特典・割引の違い:法人向けカードのほうが割引率が高かったり、契約価格が適用される場合も多く、大口取引に適しています。
ただし、個人事業主でも一部の法人カードを利用できる場合があります。申し込み条件や発行基準はカード会社によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
Q. 開業直後でも申し込める?
はい、開業直後でも申し込み可能なガソリンカードは多数あります。ただし、クレジット機能付きのカードは一定の信用情報や事業実績を求められるため、審査が通らないケースも想定されます。
その場合は、前述のとおり「協同組合系ガソリンカード」がおすすめです。開業届や本人確認書類さえあれば審査不要で発行できるため、創業初期の事業主にも利用しやすくなっています。
また、個人向けクレジットカードを一時的に事業利用し、後から事業専用カードへ切り替えるという方法もあります。まずは確実に使えるカードを手元に持ち、安定した事業運営を行うことが最優先です。
参考:個人事業主が審査なしでガソリンカードを作る方法!お得にガソリンを入れる方法も紹介
まとめ:自分の使い方に合ったガソリンカードで経費を賢く管理

ガソリンカードは、個人事業主にとってガソリン代の節約だけでなく、経費精算の効率化や帳簿管理の簡素化にもつながる便利なツールです。よく使うスタンドや給油頻度、事業規模に応じて最適なカードを選べば、日々の経費を賢くコントロールできます。
年会費や審査条件、割引内容、付帯サービスなどはカードごとに異なるため、単に「おすすめ」だけを鵜呑みにせず、自分の利用環境と照らし合わせて選ぶことが大切です。また、審査が不安な場合には協同組合系カードを活用することで、無理なく導入することも可能です。
事業用の車を使っているなら、今すぐにでもガソリンカードの導入を検討してみましょう。自分に合った一枚を見つけて、日々の業務をより効率的かつ経済的に進めていくことが、個人事業主としての安定経営への第一歩になります。