個人事業主が作れるおすすめのETCカード?カードの種類やメリットを解説

高速道路を頻繁に利用する個人事業主にとって、ETCカードは時間とコストを節約できる便利なアイテムです。実は、個人事業主でもビジネス用途に適したETCカードを発行することができ、利用明細の管理や経費処理の効率化にもつながります。ただし、カードには種類があり、選び方を間違えると余計な手数料や使い勝手の悪さに悩まされることも。本記事では、個人事業主が作れるおすすめのETCカードの種類やメリット、選び方のポイントをわかりやすく解説します。
個人事業主でも作れるETCカードとは?

ETCカードの基本的な仕組みと種類
ETCカードとは、高速道路や有料道路の料金所をキャッシュレスで通過できる電子決済カードです。専用の車載器にETCカードを差し込むことで、自動的に料金が精算され、スムーズな通行が可能になります。個人事業主にとっても業務効率化や経費精算の簡略化につながる重要なツールです。
ETCカードには大きく分けて以下の4種類があります。
- クレジットカード付帯のETCカード
一般的な個人向けクレジットカードや法人カードに追加で発行できるタイプで、決済はクレジットカードに紐づきます。 - ETCパーソナルカード
クレジットカードを使わずに発行できるデポジット(保証金)制のカードです。個人信用情報に問題がある場合や、クレジットカードを作りたくない個人事業主にも利用されています。 - 法人ETCカード(協同組合発行)
高速情報協同組合やETC協同組合などが発行するクレジット機能なしのETCカードで、個人事業主も申し込み可能です。審査が比較的ゆるく、開業間もない事業主に人気です。 - ETCコーポレートカード
NEXCO(高速道路会社)による発行で、利用額に応じた割引が特徴です。原則として車両単位での発行となり、営業車を多く使う個人事業主に向いています。
これらの中から、個人事業主としての事業形態や利用目的に合ったETCカードを選ぶことで、高速道路利用のコスト削減や管理の簡略化が期待できます。
個人事業主がETCカードを導入するメリット
個人事業主がETCカードを導入することには、多くのメリットがあります。以下に主要なポイントを紹介します。
1. 高速道路料金の割引が受けられる
ETC限定の「時間帯割引」や「大口・多頻度割引」などが適用されることで、交通費の削減が可能です。特にETCコーポレートカードは利用頻度に応じた割引が受けられるため、頻繁に移動する事業者には大きなメリットとなります。
2. 経費処理の効率化
現金払いのように領収書を都度集める必要がなく、カード明細を使って交通費を一括で記録・管理できます。会計ソフトとの連携も可能なクレジットカードなら、確定申告時の記帳作業を大幅に簡略化できます。
3. ポイント還元やマイル加算による間接的な経費削減
ビジネスカードに付帯するETCカードでは、利用金額に応じてポイントやマイルが貯まるケースも多く、事業用の支払いで得たポイントを他の支出に活用することで間接的なコスト削減が可能です。
4. 信用力の向上と資金繰りの安定化
ETCカードを含むビジネスカードを導入することで、個人と事業の支払いを分離でき、取引先や金融機関からの信用にもつながります。また、支払いを翌月に繰り越せるため、資金繰りの調整もしやすくなります。
5. 複数カードの発行でスタッフや家族事業に対応可能
法人カードや組合発行のETCカードでは、1契約で複数のカードを発行可能なケースが多く、車両や人員が複数ある事業者にとっては非常に便利です。
このように、個人事業主がETCカードを活用することで、単なる通行の利便性だけでなく、事業運営における多方面での効率化とコスト削減が期待できます。
参考:個人事業主が発行できるETCカードの種類は?おすすめのETCカードとその理由も紹介
個人名義のETCカードと事業用ETCカードの違い

個人事業主がETCカードを選ぶ際に意識しておきたいのが、「個人名義のETCカード」と「事業用(法人名義)のETCカード」の違いです。以下に主な違いを整理します。
特に、確定申告や帳簿管理の手間を考慮すると、事業用のETCカードを導入することは大きなメリットになります。個人用のカードを業務で使うこと自体は禁止されているわけではありませんが、税務処理の煩雑さや管理ミスのリスクを避けるためにも、最初から個人事業主向けのETCカードを選ぶのが望ましいと言えます。
個人事業主が作れるETCカードの種類と特徴
個人事業主が作れるETCカードには、いくつかの種類が存在し、それぞれ発行元や特徴、申込条件が異なります。自分の事業スタイルや利用頻度に合ったETCカードを選ぶことが、経費の削減や業務効率化に直結します。ここでは、個人事業主が発行可能な4つのETCカードの種類と、それぞれの特徴を詳しく解説します。
法人・ビジネスカード付帯のETCカード
法人カードやビジネスカードに付帯するETCカードは、個人事業主がもっとも一般的に選ぶETCカードの一つです。クレジットカード会社が発行する法人カードにETC機能を追加する形式で、利用額はクレジットカードの請求と合算されます。
特徴
- 発行元:三井住友カード、JCB、セゾン、アメックスなどの主要カード会社
- 審査:法人カードの審査が必要だが、個人事業主でも申し込み可能
- 発行スピード:即日〜1週間程度
- 支払い方法:クレジット決済(翌月払い)
- 年会費:ETCカードは無料〜数百円、法人カード本体は無料〜有料(年1回利用で無料になるものも)
メリット
- ポイント還元やマイル付与など、クレジットカードならではの特典が活用できる
- 利用明細が一括で確認でき、会計処理や経費精算がしやすい
- 複数枚のETCカードを追加発行できるため、スタッフや社用車ごとに運用可能
おすすめの法人カード例
- 三井住友カード ビジネスオーナーズ:年会費無料&ETCカードも無料
- セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード:特典豊富で追加カード5枚まで無料
- JCB Biz ONE:ETCカード無料+高還元ポイント制度
注意点
- クレジットカードとしての与信審査があるため、開業直後や信用情報に不安がある場合は通過が難しいこともあります。
協同組合が発行するETCカード
高速情報協同組合やETC協同組合が発行するETCカードは、クレジット機能が付いていない点が最大の特徴です。法人・個人事業主向けに設計されており、信用情報に不安がある方やクレジット審査を避けたい方に適しています。
特徴
- 発行元:高速情報協同組合、ETC協同組合など
- 審査:クレジット審査なし(書類審査のみ)
- 支払い方法:後払い(口座振替)
- 年会費・手数料:発行手数料(数千円)+月額管理費が発生する場合あり
メリット
- クレジット審査が不要で、開業直後の個人事業主でも申し込める
- 車両ごとにETCカードが発行でき、業務用車両に対応しやすい
- 毎月の利用明細が紙やWebで届くため、経費管理に便利
おすすめ組合
- 高速情報協同組合:老舗でサポートも手厚い
- ETC協同組合:対応スピードやコストパフォーマンスに優れる
注意点
- 初期費用がかかる(例:保証金・組合加入費など)
- カード返却時に未使用分の清算や手数料が発生する場合がある
このタイプのETCカードは、「クレジットカードが作れない」「信用情報に自信がない」「複数台の車両に対応したい」などのニーズにマッチしています。
参考:個人事業主が作れるETCカードの種類は?メリットやオススメカードを紹介
ETCコーポレートカード

ETCコーポレートカードは、NEXCO(東日本・中日本・西日本高速道路株式会社)が発行する法人・個人事業主向けのETCカードで、大口・多頻度利用者向けの割引制度が適用されます。営業車で長距離を移動する機会が多い個人事業主に特におすすめです。
特徴
- 発行元:NEXCO(経由して協同組合などで申込)
- 審査:協同組合を通じて行われる(財務情報の提出あり)
- 支払い方法:後払い(協同組合を通じた請求)
- 年会費:1枚あたり約600円前後+保証金や手数料あり
メリット
- 「大口・多頻度割引」が適用され、高速料金が最大40%オフになる場合も
- 車両単位で管理されるため、社用車の運行管理に最適
- 定期的に請求明細が届くため、経費管理がしやすい
注意点
- 車両ごとにカードを発行する必要があり、使い回しはできない
- 審査書類が多く、やや手続きに時間がかかる
- 月額の利用額が一定以上でないと割引の恩恵が少ない可能性あり
高速利用の頻度が高い個人事業主には、もっともコスト削減効果のあるETCカードといえるでしょう。
ETCパーソナルカード(クレジット機能なし)
ETCパーソナルカードは、NEXCOが個人向けに発行しているデポジット制のETCカードです。クレジットカードを持たない方でも作れる数少ない選択肢の一つで、事業用としても一定の活用が可能です。
特徴
- 発行元:NEXCO(東・中・西日本)
- 審査:クレジット審査なし(利用見込み額に応じた保証金が必要)
- 支払い方法:口座振替(後払い)
- 年会費:1,257円(税込)
- デポジット:概ね1ヶ月分の利用見込み額の4倍(最低2万円〜)
メリット
- クレジットカードが作れない人でも申込可能
- 審査不要なので安心
- 高速道路のETC時間帯割引などの基本的な割引は受けられる
注意点
- 保証金を預ける必要があるため、初期コストがかかる
- 法人名義では作成できず、完全に個人名義となる
- 複数枚の発行ができないため、事業で複数台の車を使う場合には不向き
ETCパーソナルカードは、クレジットカードに抵抗がある個人事業主や、信用情報に不安がある方の補助的な選択肢として有効です。
個人事業主が作れるETCカードは、ビジネスカード付帯型・協同組合発行型・ETCコーポレートカード・ETCパーソナルカードの4タイプに分類できます。それぞれ審査基準、コスト、発行方法、割引制度が異なるため、「高速道路の利用頻度」「信用情報の状態」「経費精算のしやすさ」などを踏まえて、自分のビジネスに合ったETCカードを選ぶことが大切です。
参考:法人・個人事業主向けETCカード5選【クレジット機能なしで簡単発行】
個人事業主におすすめのETCカード5選【比較表付き】

個人事業主がETCカードを選ぶ際は、審査の通りやすさや年会費、ポイント還元率、追加カードの発行可否など、ビジネス利用に適した機能や条件を比較することが重要です。本章では、個人事業主におすすめできるETCカードを5つ厳選し、それぞれの特徴を紹介します。特に人気の高いビジネスカードから、審査不要の協同組合発行型まで、幅広く網羅しています。
おすすめETCカードの比較表
それでは、各カードの詳細を順に解説していきます。
三井住友カード ビジネスオーナーズ
「三井住友カード ビジネスオーナーズ」は、個人事業主にとって最もバランスの取れた法人カードです。ETCカードは本体カードに無料で付帯でき、追加で最大19枚まで発行可能。事業拡大や複数台の車両を管理する事業者にも対応できます。
主な特徴
- 年会費・ETCカード年会費ともに永年無料
- 年1回の利用でポイント還元率が最大1.5%
- Visaタッチ決済対応で小規模店舗利用にも便利
- 三井住友銀行との相性が良く、法人口座との連携がスムーズ
- 明細をWebで一括管理でき、経費精算の効率アップ
こんな個人事業主におすすめ
- クレジットカード初心者
- 年会費や維持コストを抑えたい方
- 法人用カードとしての信用性も意識したい方
JCB Biz ONE カード
JCB Biz ONEカードは、日本発の国際ブランド「JCB」が発行するビジネスカードで、個人事業主でも申し込めます。ETCカードも年会費無料で追加でき、出張や営業が多い業種には特におすすめです。
主な特徴
- 初年度年会費無料、2年目以降は1,375円(税込)
- ETCカードは何枚でも年会費無料
- JCB STAR MEMBERSでポイント還元率がアップ
- 海外旅行傷害保険やショッピングガードも付帯
- JCBのビジネス優待(クラウドサービス・福利厚生など)が使える
こんな個人事業主におすすめ
- 出張や海外との取引がある
- JCBのサービスやキャンペーンを活用したい
- 信用力を意識したカード選びをしたい方
セゾンコバルト・ビジネス・アメックス
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは、年会費・ETCカード年会費ともに永年無料で使える、コスパに優れたビジネスカードです。アメックスのステータス性と、セゾンの即日発行体制が融合した利便性の高い1枚です。
主な特徴
- カード本体・ETCカードともに永年無料(ETCは5枚まで)
- 海外利用に強く、ビジネス向けの保険も充実
- Amazonビジネスやクラウドソリューションとの相性◎
- 永久不滅ポイントが貯まりやすい
- セゾンポータルで即時利用も可能
こんな個人事業主におすすめ
- 複数車両でETCを使いたい方
- 海外取引やクラウドサービスをよく使う方
- スマートな経費管理を実現したい方
ライフカードビジネスライトプラス
「ライフカードビジネスライトプラス」は、スタートアップや開業間もない個人事業主にもやさしい設計が魅力です。発行上限額が高く、資金繰りが不安定になりやすい開業初期に重宝します。
主な特徴
- カード本体・ETCカードともに年会費無料
- 審査に通りやすく、開業1年未満でも発行可能
- ポイント還元率は0.5%で、請求金額に応じて増加
- 出張手配代行、福利厚生、会計ソフト優待などの特典付き
- 屋号名での発行もOKで、信用構築にも有利
こんな個人事業主におすすめ
- 事業を立ち上げたばかりの方
- 少額決済が多い業種(クリエイター・講師業など)
- スモールビジネスで安定運用をしたい方
高速情報協同組合のETCカード
「高速情報協同組合」が発行するETCカードは、クレジット機能がなく、与信審査が不要である点が最大のメリットです。個人事業主としての実績が浅い方や、クレジット審査に不安がある方には非常に重宝されます。
主な特徴
- クレジット審査なしで発行可能
- デポジット(保証金)と月会費(330円〜)が必要
- 車両単位での発行で、使い回しは不可
- 月単位で利用明細が届き、経費管理に便利
- 大口・多頻度割引を活用できる「ETCコーポレートカード」の取扱あり
こんな個人事業主におすすめ
- 開業直後で信用情報が不安な方
- クレジットカードを使いたくない方
- 車両単位でしっかりとコスト管理したい方
個人事業主にとって、ETCカードは単なる通行手段ではなく、経費削減や業務効率化、信用力構築に直結する重要なビジネスツールです。年会費無料や高還元率などのスペックに注目するのはもちろん、自分の事業規模や信用状況に応じて、審査基準や発行体制も見極める必要があります。
上記で紹介した5つのETCカードは、それぞれの立場・利用目的に応じた強みを持つラインナップです。ぜひ自分のビジネスにぴったりのETCカードを見つけて、賢くお得に活用してみてください。
参考:個人事業主と法人におすすめ ETCカード 2024年最新版。ETCコーポレートカードや協同組合とも比較!
ETCカードの選び方|失敗しないための比較ポイント

個人事業主がETCカードを選ぶ際には、「年会費の有無」や「審査のハードル」など、事業の運用に関わるさまざまな観点で比較する必要があります。単に「おすすめ」とされているカードを選ぶのではなく、自分の事業規模や資金繰り、車両の利用状況に合ったETCカードを選ぶことが、結果的にコスト削減や経費処理の効率化につながります。
この章では、失敗しないためのETCカードの選び方を、特に重要な4つのポイントに絞って解説します。
年会費・発行手数料の有無
まず確認すべきは、ETCカード自体にかかる年会費や発行手数料の有無です。多くのクレジットカードや法人カードでは、ETCカードを追加発行する際に手数料や年会費が発生する場合がありますが、年1回の利用などで無料になるケースもあります。
主な費用の種類
- ETCカードの発行手数料(例:1枚あたり1,100円など)
- 年会費(無料〜550円程度/カードにより異なる)
- 協同組合発行のカードでは、入会金や保証金、月会費などが必要なケースもある
注意点
- 年会費が無料でも「発行時のみ費用がかかる」パターンがある
- 年会費無料と表記されていても、「条件付き無料(年1回以上の利用など)」のケースが多いため、詳細をよく確認する
- 法人カードによっては「ETCカードは複数発行可能だが、2枚目以降は有料」のパターンもある
個人事業主としてコストを抑えたいのであれば、「ETCカードが完全無料」または「条件付き無料」のカードを優先的に選ぶとよいでしょう。例えば、三井住友カード ビジネスオーナーズやセゾンコバルト・ビジネス・アメックスなどは、年会費・発行費用ともに無料で非常に使いやすい選択肢です。
審査の有無・通りやすさ
次に重要なのが審査の有無や通りやすさです。ETCカードは基本的にクレジットカードとセットで発行されることが多く、その場合は本体カードの審査を通過する必要があります。
クレジット機能付きETCカード(ビジネスカード等)
- 審査あり(信用情報・年収・開業年数などが考慮される)
- 開業初期や実績がないと通過が難しい場合あり
クレジット機能なし(協同組合・パーソナルカードなど)
- 信用情報の審査なし(書類審査・保証金が必要)
- 審査に自信がない個人事業主に適している
おすすめの審査が緩やかな選択肢
- 高速情報協同組合やETC協同組合の法人ETCカード(審査なし)
- ETCパーソナルカード(デポジット制)
特に開業したばかりの個人事業主や、クレジット履歴に不安がある方は、審査なしのカードを優先的に検討すべきです。一方、ある程度の信用がある方は、クレジットカード付きETCカードを選ぶことでポイント還元や特典の恩恵も受けられます。
発行枚数と追加カードの対応
事業用に複数の車両を運用している場合や、家族・スタッフと車両を共有している場合は、ETCカードの発行枚数や追加発行の可否も重要なチェックポイントです。
主なETCカードの発行枚数
- 三井住友カード ビジネスオーナーズ:ETCカード19枚まで追加可能
- JCB一般法人カード:発行制限なし
- セゾン系カード:最大5枚まで
- 協同組合発行カード:車両単位で1枚発行(複数車両にも対応)
注意すべき点
- ETCカードの発行上限が少ないと、社用車が複数ある場合に不便
- 車両単位のカード(例:ETCコーポレートカード)は使い回し不可
- 一部カードは追加カードに年会費がかかる場合がある
複数車両やチーム運用を想定している個人事業主は、ETCカードの発行上限が多いカードや追加費用がかからないカードを選ぶとスムーズです。逆に1人で営業車を1台使うだけの業態なら、発行枚数に制限があっても特に問題はありません。
ポイント還元や付帯特典
ETCカードのなかには、ポイントやマイルが還元されるものや、ビジネスに役立つ付帯サービスが充実しているカードもあります。個人事業主として日々の経費支出が大きい場合、こうした還元制度を上手に活用することで、間接的に大きな経費削減が可能になります。
主な還元タイプ
- クレジットカード連動でETC利用額に対してポイント付与(例:200円で1pt)
- 永久不滅ポイントやキャッシュバックなどの特典もあり
- マイル還元に強いカードも(例:アメックス・ビジネス系)
注目の特典例
- ビジネス専用の福利厚生・クラウドサービス優待
- 会計ソフトとの連携(例:freee、マネーフォワードとの連携)
- 海外旅行傷害保険・ショッピング保険付き(JCB・アメックス等)
おすすめカードと還元特典
- 三井住友カード ビジネスオーナーズ:還元率最大1.5%、スマホ決済対応
- JCB Biz ONEカード:JCB STAR MEMBERSでポイント優遇
- セゾンコバルト・ビジネス・アメックス:永久不滅ポイント+クラウド特典
こうした付帯サービスは、普段のETC利用だけでなく、事業全体の支出や経費管理の効率を高める意味でも重要です。カードによっては自動で交通費が会計ソフトに連携されるものもあり、確定申告の手間を軽減したい個人事業主には特に重宝されます。
ETCカードは単なる移動手段ではなく、コスト管理・信用構築・業務効率化のための強力なビジネスツールです。年会費や審査の有無などを表面的に比較するだけでなく、「発行枚数」「ポイント還元」「経費精算のしやすさ」など、実務に直結する要素で選ぶことが成功のカギです。
「個人事業主におすすめのETCカード」は一つではありません。あなたの事業スタイル、予算、信用状況に最適な1枚を見極めて、無理なく長く使えるカードを選んでください。
参考:ETCカードを個人事業主でも作る方法|起業間もない個人事業主・法人でも発行できるETCカードを紹介
ETCカードの作り方と申込方法

個人事業主がETCカードを導入する際には、自分の事業状況に応じて「どのタイプのETCカードを選ぶか」がポイントになります。選ぶカードの種類によって申込方法や必要書類、審査の内容が異なるため、事前に流れを理解しておくことが大切です。
この章では、代表的なETCカードの申込方法について4パターンに分けて詳しく解説します。
ビジネスカードからETCカードを追加発行する手順
最も一般的でスムーズなのが、法人・ビジネス用クレジットカードに付帯するETCカードを追加発行する方法です。すでに事業用のクレジットカードを保有している場合、ETCカードはオンラインやアプリ経由で簡単に申請できます。
申込手順の流れ
- クレジットカード会社の会員サイトにログイン
- 「ETCカード追加発行」または「追加カード申込」の項目を選択
- 必要事項を入力して申請
- 数日〜1週間ほどでETCカードが自宅または事務所に郵送される
必要なもの
- 本人確認書類(初回のカード発行時のみ)
- 対象のビジネスカードの会員番号など
ポイント
- クレジットカードの与信枠を活用するため、新たな審査は基本不要
- 複数枚のETCカードを同時申請できるカードもあり(例:三井住友カード ビジネスオーナーズ)
すでにビジネスカードをお持ちの方は、この方法が最も手軽で、コストも抑えられるためおすすめです。
協同組合経由で発行する手順
クレジットカードを作れない、または作りたくない個人事業主に人気なのが、協同組合が発行するETCカードです。代表的な発行元は「高速情報協同組合」や「ETC協同組合」で、クレジット審査が不要なのが最大のメリットです。
申込手順の流れ
- 協同組合の公式サイトから申込用紙をダウンロード、または資料請求
- 必要書類(開業届・車検証・本人確認書類など)を提出
- 書類審査(信用情報ではなく、事業の実在性を確認)
- 数日〜2週間ほどでETCカードが郵送される
必要書類の例
- 個人事業主の開業届(控え)
- 使用車両の車検証
- 運転免許証などの身分証明書
- 印鑑証明書(組合によっては不要)
費用
- 入会金:無料〜数千円
- 発行手数料:550〜1,100円程度
- 月会費:330円〜(発行枚数による)
ポイント
- クレジットカード審査がないため、開業直後でも作りやすい
- カードは「車両単位」で発行され、使い回しは不可
- 協同組合によってサポート体制やコストに差があるので比較検討が必要
この方法は、審査に自信がない方や、現金管理を重視する方にとって有効な選択肢です。
ETCコーポレートカードの申請方法

高速道路の利用が多く、通行料金をしっかり割引したい個人事業主には、ETCコーポレートカードが適しています。このカードはNEXCO(高速道路会社)主導の「大口・多頻度割引」制度に基づいて発行されます。
申込方法 原則として、個人事業主が直接NEXCOから発行を受けることはできないため、以下の流れで協同組合を経由して申請します。
申込の流れ
- 高速情報協同組合などに申し込み(Web・電話など)
- 利用予定の車両ごとの登録(ナンバーや車種の提出)
- 利用予定額を申告し、保証金を支払う(例:利用額の4倍など)
- 書類審査を経てカード発行(発行まで2週間前後)
必要なもの
- 車両ごとの情報(車検証)
- 開業届
- 印鑑証明・本人確認書類
- 利用予定額に応じた保証金(例:最低2万円〜)
ポイント
- 利用額が月3万円以上なら、割引の恩恵が大きい
- 「平日朝夕割引」「深夜割引」などが重複適用されることも
- 1枚のカードは1台の車両に紐づくため、社用車が多いほど有利
注意点
- カードの利用が少ないと割引が適用されず、かえって損になる可能性も
- 途中解約時には保証金の返還手続きが必要
開業直後・審査に不安な人の対策
開業したばかりで収入実績や信用情報が乏しい場合、「審査に通るか不安…」と感じる方も多いのではないでしょうか。そんな個人事業主でも、申請の工夫やカード選びの工夫で、ETCカードを確実に取得することが可能です。
対策1:協同組合のETCカードを利用する → クレジット審査が不要なので、開業初期でも安心。
対策2:デポジット制の「ETCパーソナルカード」を活用する → クレジットカードを使わずにETC機能だけを利用可能。保証金を預ける形式で、個人名義で発行できる。
対策3:ビジネスカード申請時に「屋号付き口座」や固定電話番号を用意する → クレジットカードの審査時に、事業の実在性や安定性を示せる要素となり、通過率アップにつながる。
対策4:年会費無料・審査基準が緩やかなカードから申し込む → 例:ライフカードビジネスライトプラス、セゾン系ビジネスカードなどは比較的審査が通りやすい
個人事業主がETCカードを確実に手に入れるためには、「審査に通りやすいカードの選択」と「必要書類の整備」が鍵となります。事前準備を怠らず、自分の状況に合ったカードの選び方を実践しましょう。
ETCカードを導入する際の注意点とデメリット

ETCカードは、個人事業主にとって業務効率化や経費管理の強い味方となるツールですが、導入する際には注意すべき点や見落としやすいデメリットも存在します。特に「個人用ETCカードの事業利用」「コーポレートカードの発行条件」「協同組合カードの手続きとコスト」といった点は、事前に把握しておかないと後々のトラブルや無駄な手間につながりかねません。
ここでは、ETCカード導入時における代表的な注意点とデメリットを3つの視点から詳しく解説します。
個人用ETCカードの事業利用による会計処理の煩雑さ
個人事業主の中には、プライベートで使用しているクレジットカードに付帯したETCカードを、事業用の車両にそのまま利用している方も少なくありません。しかし、この方法には経費処理上のリスクや煩雑さが潜んでいます。
主な問題点
- プライベートと事業用の支出が混在し、帳簿上での仕訳が複雑になる
- 税務調査で「業務との関連性」を明確に説明できないと、経費として認められない可能性がある
- 明細が個人カードの利用と一括になるため、交通費のみの抽出に手間がかかる
例外として認められるケース
- 経費として明確に区別され、領収書や明細で証拠が整っている場合
- 家事按分などのルールに基づいて、合理的に事業分だけ計上している場合
とはいえ、最初から事業用として使うカードとETCカードを分けておく方が圧倒的に効率的で、税務上も安全です。個人名義のETCカードのまま使い続けるのは避け、ビジネスカードや協同組合カードへの切り替えを検討することをおすすめします。
ETCコーポレートカードは車両台数・利用頻度に条件あり
ETCカードの中でもっとも割引率が高く、高速道路の利用が多い個人事業主におすすめされるのが「ETCコーポレートカード」です。しかしこのカードには、発行や運用にあたって満たすべき条件がある点に注意が必要です。
発行条件・利用上の制約
- 原則として1枚のカードにつき1台の車両登録が必要(使い回し不可)
- 毎月の利用額が一定以上でないと、割引が適用されない(例:月3万円以上が目安)
- 初回発行時に利用予定額に応じた「保証金」の預け入れが必要
- 登録車両の変更やカードの追加発行にも再手続きが必要
具体的なデメリット
- 利用頻度が少ないと、ETCコーポレートカードを使ってもコストメリットが出ない
- 複数台の車両を保有していない個人事業主にとっては、かえって管理が煩雑になる
- 利用状況によっては、一般のビジネスカード+ETCカードの方が効率的なケースもある
ETCコーポレートカードは、毎月の高速利用額が安定していて、複数車両を所有する事業者向けのカードといえます。該当しない場合は、無理に申請するよりも、別のETCカードを選んだ方が合理的です。
協同組合発行カードの書類提出や費用の負担
クレジット審査なしで発行できる協同組合発行のETCカードは、開業直後や信用情報に不安のある個人事業主にとって非常に心強い選択肢です。ただし、その分「申し込みの手間」や「費用負担」があることも理解しておくべきポイントです。
主な提出書類
- 個人事業主の開業届(税務署の受付印付き)
- 登録車両の車検証コピー
- 運転免許証や健康保険証などの本人確認書類
- 印鑑証明書(組合によっては不要)
必要な費用
- 入会金:無料〜3,000円程度
- 発行手数料:1枚あたり550円〜1,100円
- 月額管理費:330円〜(カードの枚数によって変動)
- 保証金:利用額に応じて発生(返金あり)
注意点
- 書類不備があると審査に時間がかかり、発行まで2〜3週間要することも
- 車両単位で発行されるため、使い回しは不可。複数台所有している場合はその分だけ費用が増加
- 解約時には事前通知や返却手続きが必要で、手数料がかかることもある
協同組合発行のETCカードは、確実に発行できる反面、初期の費用負担や管理コストが意外と高くつく可能性があるため、予算と利用頻度を踏まえたうえでの導入判断が重要です。
個人事業主がETCカードを導入する際には、コストメリットばかりに注目するのではなく、会計処理の煩雑さ・利用条件・発行までの手間・維持費など、総合的な観点で選ぶことが重要です。
とくに開業直後や利用頻度が不確定な時期には、発行手続きが簡便で維持コストが低いETCカードから始め、事業の成長に応じてコーポレートカードや複数枚発行型カードに切り替えていくといった柔軟な対応が望まれます。
参考:個人事業主がETCコーポレートカードに切り替えて経費削減できた好事例3つ
よくある質問(FAQ)

開業直後でもETCカードは作れる?
はい、開業直後の個人事業主でもETCカードを作ることは可能です。ただし、申し込み先によって必要な審査や書類の内容が異なるため、注意が必要です。
例えば、三井住友カード ビジネスオーナーズやライフカードビジネスライトプラスなどは、開業届さえ提出していれば申請可能で、審査基準も比較的緩やかとされています。また、クレジットカードの審査が不安な方には、高速情報協同組合やETC協同組合などが発行するETCカードがおすすめです。これらはクレジット審査がなく、書類提出による審査のみで発行されます。
なお、ETCパーソナルカードのような保証金制度(デポジット)を活用するカードであれば、信用情報に関係なく発行可能なケースもあり、開業初期にはとても有効な選択肢です。
ETCカードの利用明細は確認できる?
はい、多くのETCカードではWebサイトやアプリから利用明細を確認することができます。
たとえば、三井住友カードやJCBカードでは、会員専用ページ「Vpass」や「MyJCB」から、ETC利用履歴の明細を日付・金額ごとに確認できます。これは経費処理において非常に便利で、仕訳や帳簿記帳の際にも役立ちます。
協同組合が発行するETCカードでも、毎月の利用明細が郵送やWebで提供されます。中にはCSV形式でダウンロード可能な組合もあり、会計ソフトに取り込みやすい点もメリットです。
ただし、ETCパーソナルカードは明細閲覧の方法がやや限定的で、利用履歴が即時に反映されない場合もあるため、業務効率を重視するならビジネスカードや協同組合発行カードのほうが便利です。
ETCカードの費用は経費にできる?
はい、ETCカードの利用料金は、個人事業主の業務に必要な経費として計上できます。
経費計上できる対象は以下の通りです。
- 高速道路の利用料金(業務上の移動にかかった通行料)
- ETCカードの年会費・発行手数料
- 協同組合発行カードの月会費や保証金(返還されない部分)
ただし、プライベートでの利用と業務用の利用が混在している場合は、家事按分の処理が必要になります。できるだけ業務専用のETCカードを使い、明細をきちんと分けておくと税務処理がスムーズです。
また、カードの年会費や手数料なども「支払手数料」として経費処理可能なので、事業運営におけるコストを正確に把握するためにも、明細管理は欠かせません。
参考:個人事業主のETC料金は経費になる?注意点や仕訳について解説
ETCマイレージサービスは利用できる?
はい、個人事業主でもETCマイレージサービスを利用することができます。ETCマイレージサービスとは、高速道路の利用に応じてポイントが貯まり、そのポイントを通行料金の割引に使える制度です。
対象となるカードは、ETCカードであれば法人カードやビジネスカードでも登録可能で、個人名義でなくても問題ありません。ただし、ETCコーポレートカードなど一部の割引制度とは併用不可のケースがあるため、注意が必要です。
マイレージ登録は、ETCマイレージサービスの公式サイトから車載器情報やETCカード番号を登録するだけで完了します。登録は無料で、事業用でも有効に活用できますので、経費削減を目指す個人事業主にはぜひ活用していただきたい制度です。
まとめ:事業スタイルに合ったETCカードで経費削減と業務効率化を

個人事業主にとって、ETCカードは単なる高速道路の支払い手段ではなく、経費管理の簡素化やコスト削減を可能にするビジネスインフラの一つです。選ぶカードによって、年会費やポイント還元、審査の有無、追加カードの発行可否など大きく異なるため、自分の事業スタイルに合ったカードを選ぶことが重要です。
例えば、開業直後や審査が不安な方には協同組合発行のETCカードやパーソナルカードが向いています。一方で、長期的に経費削減やポイント還元を狙うなら、ビジネスカードに付帯するETCカードが有力な選択肢となります。
本記事で紹介したカードや比較ポイントを参考に、あなたの事業にとって最適なETCカードを導入し、経費処理の手間を減らしながら、賢く経営を進めていきましょう。