個人事業主におすすめのデビッドカード3選!それぞれのメリットを比較して解説

個人事業主として日々の経費管理を効率化するうえで便利なのが「デビットカード」です。使った分が即時に口座から引き落とされるため、使いすぎを防げるうえ、帳簿付けや資金管理もしやすくなります。特にクレジットカードの審査が不安な方や、現金主義から脱却したい方には最適な選択肢です。本記事では、個人事業主におすすめのデビットカード3選を厳選し、それぞれの特徴やメリットを比較しながらわかりやすく解説します。
個人事業主にデビットカードは必要?まずは基本を押さえよう

個人事業主として事業を行う中で、経費の支払いや日々の資金管理を効率化するための手段として「デビットカード」は非常に有効です。特に、クレジットカードの審査に不安がある方や、現金主義での資金管理に限界を感じている方にとって、デビットカードはおすすめの選択肢となり得ます。
ここでは、そもそもデビットカードとは何か、クレジットカードとの違いや、法人デビットカードと個人用デビットカードの違い、そして個人事業主でも法人デビットカードが持てるのかといった基本知識を解説していきます。
デビットカードとは?クレジットカードとの違い
デビットカードとは、利用時に銀行口座から即時に代金が引き落とされる決済カードです。クレジットカードのように「後払い」ではなく、「即時払い」が特徴で、口座残高の範囲内でのみ支払いが可能となっています。
デビットカードとクレジットカードの主な違いは以下のとおりです。
個人事業主にとってデビットカードの最大のメリットは「審査不要で即発行できる点」「使いすぎを防げる点」にあります。経費精算や仕入れ時に即時決済されることで、帳簿管理もシンプルになり、現金払いと同様の感覚で利用できます。
一方で、クレジットカードのような付帯サービス(保険や空港ラウンジ利用など)は基本的に付いておらず、ポイント還元率も控えめな傾向があるため、用途に応じた使い分けが重要です。
参考:法人用のデビットカードとは?クレカとの違いやメリットを解説
法人デビットカードと個人デビットカードの違い

デビットカードには、「個人向け」と「法人(ビジネス)向け」の2種類があります。個人事業主の場合、どちらのカードも利用可能ですが、事業用途に特化した機能や付帯サービスを求めるなら「法人デビットカード」がおすすめです。
たとえば、GMOあおぞらネット銀行や楽天銀行、住信SBIネット銀行などは、個人事業主でも使えるビジネスデビットカードを提供しています。これらの法人デビットカードは、屋号名義で発行できるものもあり、経費処理や帳簿整理をより効率化できます。
また、取引先や会計士とのやり取りにおいても、「法人デビットカード」を使っていることでビジネスとしての信頼性が向上するという側面もあります。
個人事業主でも法人デビットカードは持てる?
結論から言えば、個人事業主でも法人デビットカードは問題なく持てます。実際、多くのネット銀行では「個人事業主向けビジネスアカウント」を開設すれば、同時に法人デビットカードを発行することができます。
ただし、申し込みの際には以下のような書類が必要になるケースがあります。
- 開業届の写し
- 確定申告書類(青色申告決算書や収支内訳書)
- 屋号付きの銀行口座の開設
とくに「屋号付き口座」が求められることが多く、その口座と連動した形で法人デビットカードが発行される仕組みになっています。たとえば、楽天銀行やGMOあおぞらネット銀行では、口座開設と同時にデビットカードが申し込めるようになっており、手続きもオンラインで完結できるのが魅力です。
個人事業主の多くは、「審査不要で即利用できる」「経費処理が簡単」「現金管理より安全」といった理由で法人デビットカードを導入しています。特に、事業規模が小さい段階や、クレジットカードの利用履歴が少ない開業初期には、法人デビットカードの導入が非常に有効です。
参考:個人事業主がデビットカードを使うとお得なの?ビジネス利用におすすめの法人カードも紹介
デビットカードを使うメリット・デメリット

個人事業主として事業を運営していくうえで、日々の経費支払いや資金管理は非常に重要な業務のひとつです。そうした場面で活躍するのが「デビットカード」です。クレジットカードと比べると地味な存在に思えるかもしれませんが、個人事業主にとっては非常に使い勝手の良いツールであり、導入をおすすめできるケースが多くあります。
ここでは、個人事業主がデビットカードを使う際の主なメリットとデメリットについて、具体的なポイントを挙げながら解説していきます。
経費管理がしやすく、即時決済で資金管理が明確になる
デビットカード最大の特徴は「即時決済」です。買い物や支払いをした瞬間に、登録口座からその金額が引き落とされるため、支出のタイミングが明確になります。
これは、個人事業主の経費管理において非常に大きな利点です。というのも、クレジットカードのように「利用から数週間後に引き落としがある」という後払い形式だと、帳簿に記載するタイミングと実際の支出タイミングにズレが生じ、資金繰りの把握やキャッシュフロー管理が難しくなることがあります。
デビットカードなら、以下のような管理がしやすくなります。
- 支払いと同時に口座から引き落としされるため、使いすぎを防げる
- 銀行口座と連動しているため、入出金の記録が自動的に残る
- 会計ソフトと連携すれば、仕訳処理の自動化も可能
- 複数カードを用途別に分けることで、支出の分類が明確になる
たとえば、「楽天銀行ビジネスデビットカード」や「GMOあおぞらネット銀行ビジネスデビット」は、freee会計やマネーフォワードクラウド会計などと連携して使うことができ、記帳ミスの防止にもつながります。経費の可視化が容易になることで、確定申告の際にもスムーズに対応できるのは、個人事業主にとって非常に心強いメリットです。
年会費・発行手数料が無料のカードが多い
多くのデビットカードは、年会費や発行手数料が無料もしくは低額に設定されている点も大きな魅力です。これは、特に開業したばかりの個人事業主や、小規模ビジネスを営むフリーランスにとっては大きな節約ポイントになります。
一般的なビジネス用クレジットカードでは、年会費が数千円〜1万円以上かかるものも多く、さらに追加カードを発行する場合にも別途費用がかかるケースがあります。一方で、デビットカードであれば以下のようなコスト面での利点があります。
- 発行手数料:無料〜数百円が一般的
- 年会費:無料または年間利用条件により無料
- ETCカードや追加カード:発行不可のケースが多いが、その分コスト負担が軽減
実際に、GMOあおぞらネット銀行の「ビジネスデビットカード」は、年会費無料で利用可能ですし、楽天銀行の「楽天ビジネスデビット(JCB)」も、年会費無料で海外利用やネット決済にも対応しています。
これにより、カードを導入することによるランニングコストを極力抑えたいという個人事業主にとっては、非常におすすめの選択肢となります。
また、「試しに使ってみたい」「複数のデビットカードを用途別に使い分けたい」と考える場合でも、コスト負担が軽いことで導入のハードルが下がる点も見逃せません。
クレジットカードよりも還元率や付帯サービスが劣る点に注意

一方で、個人事業主がデビットカードを利用する際には注意すべきポイントも存在します。そのひとつが「ポイント還元率の低さ」と「付帯サービスの少なさ」です。
多くのクレジットカードには以下のような特典が付いています。
- 高還元率のポイントプログラム(1.0〜1.5%など)
- 空港ラウンジ利用・旅行保険・ショッピング保険などの付帯サービス
- ビジネス向けの割引特典(交通費、出張費、宿泊費など)
これに対して、デビットカードは即時決済であるがゆえに、カード会社が債務リスクを取る必要がなく、還元プログラムやサービスが限定的な傾向にあります。たとえば、楽天ビジネスデビットカード(JCB)は楽天ポイントが貯まる仕組みですが、還元率はクレジットカードに比べるとやや低めです。
参考:デビットカードとクレジットカードの違い|特徴や使い分けについて解説
さらに、以下のような制約も考慮しておく必要があります。
- 支払いは一括のみで分割払いやリボ払いができない
- 旅行保険やショッピング保険などは基本的に付帯しない
- 利用限度額は口座残高に依存するため、突発的な大きな支出には対応しにくい
つまり、出張が多い事業主や、高額な設備投資を定期的に行う事業モデルの場合は、クレジットカードのほうがメリットが大きい可能性があります。とはいえ、「支出をコントロールしやすい」「審査不要で即日使える」という特性は、デビットカードの大きな魅力であり、カードを併用することでバランスを取る運用もおすすめです。
デビットカードは、コストを抑えて経費管理をシンプルにしたい個人事業主に最適
デビットカードは、資金繰りをリアルタイムで可視化したい個人事業主や、固定費を極力抑えて事業を立ち上げたい人にとって、非常に有効な選択肢です。経費管理がしやすく、年会費がかからず、会計ソフトとの連携も進んでいるなど、今後のビジネスインフラとして活用価値が高まっています。
一方で、ポイント還元や付帯サービスの充実度ではクレジットカードに劣る面もあるため、事業のフェーズや支払い内容に応じて、カードの使い分けを検討するとよいでしょう。
デビットカードの選び方|個人事業主がチェックすべきポイント

個人事業主がデビットカードを導入する際には、「なんとなく無料だから」「銀行口座を開いたら付いてきたから」といった理由だけで選ぶのは避けたいところです。事業用途で使用する以上、自身の業務スタイルや経費の種類、キャッシュフロー管理の考え方に合ったカードを選ぶことが重要です。
ここでは、個人事業主がデビットカードを選ぶうえで必ずチェックしておきたい3つのポイントを解説します。選ぶべき基準を明確にすることで、失敗しないカード選びができ、日々の経費管理や帳簿作成も格段にラクになります。
年会費や発行手数料の有無
まずチェックすべきは、デビットカードの維持費です。個人事業主にとって、カード導入にかかるコストはできるだけ抑えたいもの。デビットカードはクレジットカードに比べて年会費・発行手数料が無料または低価格なものが多く、ランニングコストをかけたくない人にとって非常におすすめです。
たとえば、以下のような条件で発行できるカードが存在します。
- GMOあおぞらネット銀行 ビジネスデビットカード:年会費・発行手数料無料
- 楽天銀行ビジネスデビットカード(JCB):年会費無料、還元率あり
- 住信SBIネット銀行 Visaデビット付キャッシュカード:年会費・手数料無料、法人名義でも作成可能
こうしたコスト面を確認せずにカードを申し込んでしまうと、「知らないうちに年会費が引き落とされていた」「追加カードの発行に別途料金が必要だった」といった思わぬ出費につながることもあります。
また、ETCカードや家族・従業員用カードを発行できるかどうかもチェックポイントのひとつ。追加カードが必要な事業形態であれば、その発行条件や費用も併せて確認しておきましょう。
ポイント還元率やキャッシュバックの有無
デビットカードの中には、クレジットカードと同様に利用額に応じたポイント還元やキャッシュバックを受けられるカードがあります。個人事業主にとって、このポイント還元は「実質的な経費節減」につながるため、見逃せない要素です。
還元率の一例は以下の通りです。
特に、月間の支出額が大きい個人事業主であれば、たとえば年間300万円の経費を1.0%の還元率で決済した場合、3万円分のポイントが還元されます。これは実質的な利益といえるでしょう。
ただし、以下のような注意点もあります。
- 一部のデビットカードは還元対象となる加盟店が限定されている
- クレジットカードよりも還元率が低めに設定されていることが多い
- 還元ポイントの有効期限や使用条件に制限がある場合も
そのため、「ポイントが貯まるデビットカードが良い」と思っている方は、どのポイントが付与されるか・そのポイントが自分の生活や事業で使えるかを事前に確認しておくことが重要です。
また、現金でのキャッシュバックが選べるカードであれば、より汎用的に経費の一部を節約できます。
利用限度額・国際ブランド・付帯サービスを比較

最後に、実際の使い勝手に関わる「機能面」も重要なチェックポイントです。個人事業主がデビットカードを選ぶ際は、以下の3つを中心に確認しましょう。
1. 利用限度額の柔軟性
デビットカードは、基本的に銀行口座の残高が利用限度額です。クレジットカードのように事前に与信枠が設定されることはありませんが、カードによっては1日の利用上限額が設定されている場合があります。
例
- GMOあおぞら:最大200万円/日(変更可能)
- 楽天ビジネスデビット:最大100万円/日(会員ランクにより異なる)
大きな仕入れや広告費など、まとまった支出が発生する可能性がある方は、一時的に限度額を引き上げられるかどうかを確認しておくと安心です。
2. 国際ブランドの対応状況
デビットカードを選ぶ際に「VISA」「JCB」「Mastercard」などの国際ブランドも確認しておきましょう。これにより、国内外問わず幅広い加盟店での決済が可能になります。
個人事業主の場合、以下のような使用シーンが想定されます。
- 国内外のオンラインサービスやクラウドツールの利用
- 海外出張時の決済
- 海外仕入れや輸入商品の購入
たとえば、楽天銀行のJCBブランドのカードは、JCB加盟店でのみ利用可能な一方、Visaは国際的な加盟店が多く、海外利用に向いています。
3. 付帯サービスの有無
デビットカードは、一般的にクレジットカードに比べて付帯サービスが少ない傾向がありますが、ビジネス用途に便利なサービスが付属しているカードも存在します。
たとえば:
- 楽天銀行ビジネスデビット:不正利用補償・J/Secure(本人認証)
- 住信SBIネット銀行Visaデビット:明細確認アプリ、セキュリティロック機能
- GMOあおぞらネット銀行:口座管理・振込との連携がスムーズ
このような機能があることで、より安全かつ効率的にカードを運用できます。セキュリティ面が不安な方は、不正利用補償や利用通知機能があるかどうかも確認しておきましょう。
機能・コスト・利便性を比較して、自分のビジネスに合う1枚を選ぼう
個人事業主にとってデビットカードは、経費精算や資金管理をシンプルにする有効なツールです。しかし、すべてのカードが同じではなく、年会費の有無、還元制度、限度額、ブランド、付帯サービスなど、それぞれの特徴には違いがあります。
「手数料を抑えたいのか」「ポイントを活用したいのか」「海外利用があるのか」など、自分の事業スタイルに合った基準を持って比較検討することが、満足度の高い1枚を選ぶための第一歩です。
参考:デビットカードのメリット・デメリットは?向いている人、選び方もあわせて解説
個人事業主におすすめのデビットカード3選

個人事業主として事業用の支払いをスマートに行いたいなら、ビジネス用途に適したデビットカードの活用がおすすめです。ここでは、数ある法人対応のデビットカードのなかでも、特に評価が高く、機能やコストのバランスに優れた「おすすめのデビットカード」を3つご紹介します。それぞれの特徴や利用者の口コミもあわせて解説するので、自分のビジネスに合う1枚を見つける参考にしてください。
1. GMOあおぞらネット銀行「ビジネスデビットカード」
こんな人におすすめ
- 年会費・発行手数料のないカードを探している個人事業主
- クラウド会計ソフトと連携して経費管理を効率化したい人
- 安定したセキュリティ機能を重視したい人
GMOあおぞらネット銀行のビジネスデビットカードは、法人・個人事業主向けに特化した設計で、口座開設と同時に申し込める利便性も高く評価されています。インターネットバンクを積極的に活用したい方にとっては、非常におすすめの1枚です。
主な特徴とメリット
- 年会費・発行手数料が完全無料:初期費用・維持費ゼロで導入可能。
- Visaブランドで国内外の利用に対応:オンライン決済、海外出張にも活用可。
- 即時決済で口座残高と連動:経費管理がシンプルでリアルタイム反映。
- 会計ソフトfreeeと連携可能:仕訳・帳簿付けが自動化され、確定申告もラクに。
- 利用上限額の柔軟な設定が可能:日額上限200万円まで自由に調整可。
また、口座開設やカード利用に応じたキャンペーンが頻繁に実施されており、現金還元などの特典が受けられるのも魅力です。
ビジネスデビットカード | 個人事業主口座の開設 | GMOあおぞらネット銀行
2. 楽天銀行「楽天銀行ビジネスデビットカード(JCB)」
こんな人におすすめ
- 楽天経済圏で事業を展開している個人事業主
- 高還元率のポイント制度を重視する人
- 海外でも利用したいがコストは抑えたい人
楽天銀行が提供する「楽天銀行ビジネスデビットカード(JCB)」は、楽天スーパーポイントが貯まる高還元率のビジネス用カード。日常的に楽天サービスを活用している個人事業主には、非常におすすめです。
主な特徴とメリット
- 年会費無料で気軽に導入可能:維持費がかからず、サブカードとしても便利。
- 1.0%のポイント還元率:楽天ポイントがしっかり貯まり、経費支払いが実質割引に。
- 国内外のJCB加盟店で利用可:ネット決済、実店舗利用、海外出張にも対応。
- 不正利用補償制度を完備:安心してビジネス利用できるセキュリティ体制。
- 利用明細はリアルタイムで確認可:楽天銀行のスマホアプリでスムーズに管理。
楽天市場や楽天ビジネス関連サービスとの親和性も高く、楽天ペイなどのキャッシュレス決済との連携も可能です。楽天ユーザーには圧倒的な利便性を提供してくれるカードといえます。
3. 住信SBIネット銀行「Visaデビット付キャッシュカード」
こんな人におすすめ
- 利用シーンが幅広く、海外利用の多い個人事業主
- スマートな口座管理やアプリでの資金管理を重視する人
- メインバンクとしてネット銀行を活用したい人
住信SBIネット銀行のVisaデビット付キャッシュカードは、個人口座でも事業用途で活用しやすい設計になっており、特にネットを中心に事業を行うフリーランスや個人事業主に人気です。口座開設がスピーディで、スマートな資金管理を求める方におすすめです。
主な特徴とメリット
- 年会費・発行手数料無料:手軽に始められるデビットカード。
- 還元率は0.8%(ランクにより変動):スマプロポイントが貯まり、現金交換も可能。
- Visa加盟店で幅広く利用可能:国内外・オンライン・サブスクリプション決済にも対応。
- アプリからの即時利用制限・ロック機能:セキュリティ重視の人も安心。
- 他行宛振込無料回数あり(条件達成で):資金移動コストを抑えられる。
さらに、他行宛の振込手数料無料回数が用意されているため、仕入先や外注費の振込が多い個人事業主にも相性が良いです。クレジットカードが作れないケースでも審査不要で使える点も魅力のひとつです。
デビットカードは個人事業主の経費管理とキャッシュレス化を加速させるツール
デビットカードは「審査不要」「即時決済」「管理が簡単」という特長から、個人事業主にとって非常に使い勝手の良い決済手段です。今回ご紹介した3枚は、いずれもコスト面と機能面のバランスに優れており、自分の事業スタイルに合ったカードを選べば、日々の経費管理や会計処理が格段に効率化されます。
特に、GMOあおぞらネット銀行は会計連携重視、楽天銀行は高還元率を求める方向け、住信SBIネット銀行は汎用性とセキュリティを重視する人におすすめです。それぞれの特徴を比較しながら、自分にとって最適な1枚を選んでみてください。
クレジットカードと迷ったときは?それぞれの使い分け方

個人事業主として事業を進めるなかで、経費支払用の決済手段として「デビットカード」と「クレジットカード」のどちらを選ぶべきか迷う方は少なくありません。それぞれのカードには異なる特性があり、利用シーンや資金状況によって適切な選択が変わってきます。
ここでは、デビットカードが向いている人の特徴、クレジットカードが有利なケース、そして両者を併用することで得られるメリットについて詳しく解説します。個人事業主として、経費管理やキャッシュフローを最適化するための参考にしてください。
デビットカードが向いている人の特徴
デビットカードは、銀行口座と直結し、利用と同時に口座から即時引き落とされる仕組みのため、「現金感覚で使える決済手段」として個人事業主にも人気があります。以下のようなタイプの方には、特にデビットカードの導入をおすすめします。
- クレジットカードの審査に不安がある人
デビットカードは原則として審査不要で、口座開設と同時に作成できるのが大きなメリットです。信用情報に不安がある方や、開業直後でクレジットカードの審査が通りにくい方でも利用できます。 - 支出管理をリアルタイムで行いたい人
利用と同時に口座から引き落とされるため、残高の範囲内でしか使えず、「使いすぎ防止」に役立ちます。経費を即時で可視化したい場合や、現金主義で帳簿をつけている個人事業主には最適です。 - 会計処理の手間を減らしたい人
会計ソフトと連携して、リアルタイムで仕訳を行えるサービスも増えており、経費処理や記帳業務を効率化できます。GMOあおぞらネット銀行や楽天銀行などのデビットカードは、freeeやMoney Forwardなどのクラウド会計とスムーズに連携可能です。 - 現金を持ち歩きたくない・キャッシュレス派
現金のやり取りを最小限にし、キャッシュレスでスマートに経費精算を行いたい方にとって、デビットカードは現実的な選択肢となります。
このように、手軽さ・即時性・審査不要といった要素を重視する個人事業主には、デビットカードが非常に向いているといえるでしょう。
クレジットカードが有利なケースとは?
一方で、クレジットカードならではの強みも数多くあります。特に以下のような条件やニーズを持つ個人事業主には、クレジットカードのほうが有利となる場合があります。
- 一時的な資金繰りが必要な場合
クレジットカードは利用時に即引き落としが発生せず、翌月あるいは翌々月にまとめて支払う「後払い」方式です。これにより、売上入金前の仕入れや出張費の立て替えなど、一時的な資金調整に有効です。 - 高額な支払いが多い業種
広告費や設備投資、外注費など、ある程度まとまった金額の支払いが多い場合は、限度額が大きく設定できるクレジットカードのほうが利便性が高いです。法人カードでは最大500万円の利用枠が設定されるものもあります。 - 付帯サービスを活用したい人
クレジットカードには、空港ラウンジの利用、海外旅行保険、ETCカード無料発行など、さまざまなビジネス向けの特典が用意されています。これらを活用したい個人事業主には、クレジットカードが有利といえます。 - 高還元率のポイントを狙いたい人
一部のクレジットカードは1.5%以上のポイント還元率を誇り、出費の多い個人事業主にとっては非常に魅力的です。たとえば、freeeカードUnlimitedやJCB Bizカードなどは、経費の多い事業者に人気があります。
このように、「資金繰り」「高額支出」「特典活用」を重視するのであれば、クレジットカードが適しています。
両方併用して経費管理を最適化する方法
デビットカードとクレジットカードは、どちらか一方を選ぶのではなく、併用することでより高い経費管理・資金効率を実現できます。それぞれの特性を活かし、場面に応じて使い分けるのが理想的です。
【おすすめの併用パターン】
- 日常的な経費や小額決済:デビットカード
文房具や交通費、サブスクリプションなど、頻繁に発生する支出にはデビットカードが向いています。リアルタイムで口座残高を反映するため、管理がしやすく、記帳ミスも減ります。 - 高額な仕入れや広告費:クレジットカード
一時的にキャッシュが必要なケースや、大口の仕入れが発生する場面では、利用枠の大きいクレジットカードのほうが柔軟に対応できます。 - 特典やポイント目的の支払い:クレジットカード
空港ラウンジや旅行保険などのビジネス向け特典を活用したい場合や、ポイント還元で経費節減を狙う場合はクレジットカードの利用がおすすめです。 - 資金状況が不安定な月:デビットカードで支出を制限
支出を予算内に抑えたい月は、デビットカードに切り替えることで、使いすぎを防げます。
このように、用途や月次の資金状況に応じて「使い分け」することで、個人事業主としての資金管理がより合理的に行えます。クラウド会計ソフトと連携させることで、どちらのカードを使っても自動的に仕訳が生成され、業務効率の向上にもつながります。
自分のビジネススタイルに合った賢い選択を
個人事業主がデビットカードとクレジットカードのどちらを選ぶかは、「資金繰り」「決済管理」「信用情報」「付帯サービス」など、複数の要素を加味して決める必要があります。
迷ったときは、まずは年会費無料で手軽に使えるデビットカードからスタートするのがおすすめです。そのうえで、業務の拡大やキャッシュフローの変化に応じてクレジットカードを併用し、支払い手段を最適化していきましょう。
デビットカードとクレジットカードをうまく活用することで、事業運営の安定性や経費管理の精度が向上し、結果としてビジネスの成長スピードも加速していきます。
参考:フリーランス・個人事業主におすすめの法人カード8選!審査基準も解説
よくある質問

Q. 開業直後でもデビットカードは作れる?
はい、開業直後の個人事業主でもデビットカードは作成可能です。クレジットカードとは異なり、デビットカードは銀行口座と直結しており、審査が不要またはごく簡易なため、開業直後の実績がない状態でも問題なく申し込めます。
特に、GMOあおぞらネット銀行や楽天銀行、住信SBIネット銀行などのネット銀行系のビジネスデビットカードは、口座開設と同時に申し込める仕組みになっているため、開業手続きの一環として準備しておくのがおすすめです。
事業用の口座と紐づけておくことで、公私の支出を分けやすくなり、帳簿作成や確定申告時の負担も大幅に軽減されます。
Q. デビットカードの支払いは経費にできる?
デビットカードによる支払いも、事業に関連する支出であれば経費として計上可能です。たとえば、以下のような支払いが該当します。
- 事務用品・備品の購入
- 交通費・宿泊費
- ウェブサービスやサブスクリプション料金
- 広告出稿費やシステム利用料 など
重要なのは、「個人の支出と事業の支出を明確に分けること」です。事業用口座に紐づけたデビットカードで事業に関連する支払いだけを行うようにすれば、帳簿への記帳が非常にスムーズになります。
また、クラウド会計ソフトとデビットカードを連携させることで、支払いが自動で仕訳され、経費処理の手間も軽減されます。freeeやマネーフォワードなどの会計ツールとの相性も良いため、事業を始めたばかりの個人事業主にとっては非常に便利な選択肢です。
Q. 複数枚のデビットカードを使い分けてもよい?
はい、個人事業主が複数のデビットカードを用途別に使い分けるのは有効な方法です。カードを分けることで、支出内容を明確に区別でき、経費管理や帳簿の整理がより簡単になります。
例えば、以下のような使い分けが考えられます。
- メインカード:日常的な経費(交通費・消耗品など)
- サブカード:広告費や外注費など大型支出
- ポイント重視カード:楽天市場などでの事業用購買に限定
ただし、管理が煩雑にならないように注意が必要です。カードごとに利用履歴や明細をきちんと確認できる仕組みを整え、記帳のルールも統一しておくことが大切です。freeeやMoney Forwardなどのクラウド会計ソフトを活用すれば、複数のカードを一元管理することも可能です。
まとめ:自分の事業スタイルに合ったデビットカードを選ぼう

デビットカードは、即時決済・審査不要・明確な支出管理という特長から、特に開業したばかりの個人事業主にとって心強い決済手段です。年会費無料のものが多く、導入コストがかからないため、事業用口座とセットで1枚は持っておくのがおすすめです。
今回紹介したGMOあおぞらネット銀行・楽天銀行・住信SBIネット銀行のデビットカードは、それぞれ違った強みがあり、事業スタイルや重視するポイントに応じて選べるのが魅力です。
また、クレジットカードとの併用や、複数枚の使い分けによって、経費管理の効率をさらに高めることも可能です。カードの特性を正しく理解し、自分のビジネスにフィットする1枚を選ぶことが、継続的な経営安定につながります。
これからデビットカードを導入する個人事業主の方は、この記事で紹介した選び方やおすすめカードを参考に、最適な1枚を見つけてみてください。