フリーランスに営業は必要?案件獲得のポイントやおすすめサービスを解説

フリーランスとして安定した収入を得るためには、スキルだけでなく「営業力」も欠かせません。待っているだけでは案件は舞い込まず、自ら仕事を獲得する姿勢が求められます。「営業が苦手」「どうやって案件を探せばいいの?」と悩む方も多いですが、ポイントを押さえれば誰でも実践可能です。
本記事では、フリーランスに営業が必要な理由や案件を獲得するためのコツ、活用すべきおすすめのサービスについてわかりやすく解説します。
フリーランスに営業は必要?まずは基本から理解しよう

フリーランスとして活動する上で「営業は本当に必要なのか?」と疑問を持つ方は少なくありません。フリーランスは自由な働き方が魅力ですが、その一方で安定的に案件を獲得するためには、自ら動いて仕事を取りに行く「営業力」が求められる場面も多くあります。
営業職に限らず、ライターやデザイナー、エンジニアなど、あらゆる業種のフリーランスが直面するのが「案件獲得」という課題です。特に独立して間もない時期は、まだ紹介や実績が少ないこともあり、自発的に営業活動を行わなければ、収入がゼロという状況に陥るリスクすらあります。
一方で、営業をあまり意識せずとも仕事が回るケースも存在します。では、どのような場合にフリーランスに営業が必要なのか、逆に必要ないのはどんなケースなのかを具体的に見ていきましょう。
営業が必要なケース・不要なケース
まず、営業が「必要なケース」は以下のような状況です。
- 実績や人脈がまだ少ないフリーランス初期段階
- 新規の顧客を獲得したい場合
- 継続案件だけでは収入が不安定な場合
- 自分のサービスやスキルを広く知ってもらいたい場合
- 特定の業界やジャンルに挑戦したい場合
特に、営業代行や法人営業などを請け負う営業系フリーランスは、自ら営業を行うことが業務そのものでもあるため、積極的に自分を売り込む必要があります。
また、非営業系のフリーランス(例:エンジニアやライター)であっても、クラウドソーシングやエージェントへの登録、SNSでの発信を通じて自分の存在を知ってもらう「広義の営業活動」が求められることは少なくありません。
逆に、営業が「不要なケース」は以下の通りです。
- 長期契約のクライアントが複数あり安定している場合
- 代理店経由や紹介だけで十分な案件が継続的に入る場合
- 営業代行会社やエージェントが案件を供給してくれる場合
- インフルエンサーとしての影響力があり、向こうから声がかかる状態
ただし、これらのケースでも将来的なリスク分散や収入アップを目指すのであれば、営業力を高めておくことに越したことはありません。営業を“しなくていい”のではなく、“しなくても案件がある”状態を自分の力でつくれるのが理想です。
営業力が収入に直結する理由
フリーランスにとって営業力は、単なる仕事の受注スキルにとどまらず、「収入を伸ばすための武器」とも言えます。以下はその理由です。
1.単価交渉ができる
営業力のあるフリーランスは、自分の提供価値を正しく伝え、単価交渉に持ち込むことができます。価格に納得してもらうためには、クライアントの課題に対する提案力や、自分の強みの言語化が不可欠です。営業トークのようなスキルが、単価を左右します。
2.継続案件やリピートにつながる
営業=新規開拓というイメージが強いですが、実際には「既存顧客との関係構築」も重要な営業活動のひとつです。レスポンスの早さや信頼性、丁寧な報告などを通じて関係性を築くことが、継続案件や追加依頼を生む要因になります。
3.案件の選択肢が広がる
営業力があれば、自ら理想の案件にアプローチできるため、「受け身」ではなく「攻め」のスタイルに転じることができます。自分の強みや興味を活かせる仕事に狙いを定められるため、やりがいのある仕事が増え、モチベーションや収入も安定しやすくなります。
4.ブランディングにつながる
営業活動を通じてSNSやポートフォリオで自分の仕事を発信することは、ブランディングにも直結します。「この人に頼みたい」と思われる存在になれば、紹介や逆営業(相手からの依頼)が増える好循環が生まれます。
フリーランスが営業で直面する課題とは?

フリーランスとして活動していると、自由な働き方や自分の裁量で案件を選べる反面、「営業」という壁に直面することも少なくありません。特に独立して間もない頃や、人脈が限られているフリーランスにとって、営業活動は大きな負担となり得ます。
フリーランスが営業で直面する代表的な課題には、「新規案件の獲得の難しさ」「継続性の確保の難しさ」「業務との両立の難しさ」の3つがあり、それぞれが収入の不安定さや精神的なストレスにつながる原因になっています。
ここでは、それぞれの課題について詳しく見ていきましょう。
新規獲得の難しさと継続性の課題
信頼関係の構築がゼロから必要
フリーランスとして新規の仕事を獲得する場合、企業との信頼関係がない状態からスタートします。企業側にとっては「どんな人物なのか」「納品クオリティは十分か」「期日を守れるのか」といった懸念があるため、案件を発注するにも慎重になります。
このため、実績やポートフォリオが乏しい段階ではなかなか案件を獲得できず、営業活動が徒労に終わるケースも珍しくありません。メールやSNSでのアプローチをしても返信すら来ない、という経験をしたことのあるフリーランスは多いはずです。
コンペやクラウドソーシングでの競争
多くのフリーランスが利用しているクラウドソーシングサイトでは、同じ案件に複数人が応募する「コンペ形式」が一般的です。ここでは、価格競争に巻き込まれることも多く、単価の低さや不安定な収入に悩まされるフリーランスも少なくありません。
特に営業未経験のフリーランスの場合、「安くしないと受注できない」と思い込んでしまい、過剰な値引きやサービスをしてしまうこともあります。これは持続可能なビジネスモデルとは言えず、長期的に見れば自分を疲弊させる要因になります。
継続案件につなげる難しさ
新規案件を受注できても、単発で終わってしまうことも多く、安定した収入にはつながりにくいのが実情です。継続案件に発展させるには、クライアントの満足度を高めるだけでなく、「次回もお願いしたい」と思わせる工夫や信頼関係の構築が欠かせません。
たとえば、納品物のクオリティだけでなく、連絡のレスポンスや提案力、報告の丁寧さといった“非業務的な要素”も重要です。これらは営業スキルと密接に関わっており、日々の対応力が次の仕事につながるかを左右します。
業務と営業の両立の壁
時間の使い方が難しい
フリーランスにとって最も貴重なリソースは「時間」です。しかし、営業活動にはメール作成・企業リサーチ・SNS運用・ポートフォリオの整備など、思っている以上に多くの時間とエネルギーが必要になります。
すでにいくつか案件を抱えているフリーランスの場合、納品スケジュールに追われながら営業活動を行うのは非常に難しく、「気づいたら次の案件がない」「スケジュールが空いてしまった」という“案件の谷間”が発生することもしばしばあります。
営業が後回しになりがち
案件に集中している期間は、「営業は後回しでいいか」となりがちです。しかし、この状態を続けていると、案件が終わったタイミングで急に収入がゼロになるというリスクを招きます。特に単発案件が多いフリーランスは、営業の継続が途切れた瞬間から“無収入期間”に入ってしまうこともあるのです。
フリーランスの営業は「点」ではなく「線」で行うべき活動であり、忙しい時期でも“種まき”を意識して行動しなければなりません。理想は、案件をこなしながら並行して営業活動を続けられるルーティンを確立することです。
メンタル面への影響も大きい
営業は精神的にも消耗しやすい活動です。提案を断られたり、音信不通になったり、案件がうまく進まなかったりと、思い通りにいかないことも多いため、自信をなくしてしまうフリーランスも少なくありません。
また、SNSでの発信に力を入れても反応が薄かったり、ポートフォリオを整備しても問い合わせが来なかったりすると、モチベーションの低下につながります。営業活動は成果が出るまでに時間がかかるため、焦らず粘り強く取り組む姿勢が必要です。
参考:フリーランスの営業方法7選!案件獲得のコツや営業せず仕事を取る方法
営業経験ゼロでも始められる案件獲得の方法

「営業は苦手」「提案なんてやったことがない」と感じるフリーランスは少なくありません。しかし、営業経験がなくても、ポイントさえ押さえれば案件獲得は十分に可能です。むしろ、営業職としてのキャリアがなくても、相手に「信頼」と「期待」を届ける工夫をすれば、案件を取ることは難しくありません。
この章では、営業経験ゼロのフリーランスでも実践できる案件獲得の方法を3つの側面から解説します。どれも今日から実践可能な内容なので、ぜひ取り入れてみてください。
営業メール・提案文の基本構成
営業の第一歩は、クライアントに向けた「提案の言葉を届けること」です。営業メールや提案文を書く際に大切なのは、相手目線で伝えること。営業経験がなくても、以下の基本構成に沿って書けば、十分に伝わる営業文を作ることができます。
1.挨拶と自己紹介
まずは簡潔に挨拶し、自分の名前と職種、活動スタイル(例:フリーランスで活動しているライターの○○です)を明記します。
2.相手企業(案件)に興味を持った理由
「御社のサービスに共感し…」「○○という記事を拝見し…」など、相手をよく知っているという姿勢を伝えることで、信頼度が上がります。
3.提供できる価値の提案
「〜のような記事制作が得意です」「御社が抱える課題に対して○○のような提案が可能です」といった形で、具体的な貢献内容を伝えましょう。実績や得意分野がある場合はこのパートで紹介するのが効果的です。
4.実績やポートフォリオの提示
GoogleDrive、Notion、ポートフォリオサイトなどのURLを貼り、過去の仕事を提示できるようにしておくと、説得力が格段に増します。
5.クロージング
「一度お話の機会をいただけませんか?」「ご興味がありましたらご連絡いただけますと幸いです」など、控えめながらも次のステップを促す一文を忘れずに。
営業文で意識すべきなのは、“自分がやりたいこと”ではなく、“相手が得られるメリット”を先に伝えることです。
ポートフォリオや実績の見せ方

営業メールや提案文で案件獲得の入口を作ったら、次に重要になるのが「実績の見せ方」です。営業経験がないフリーランスでも、成果物やスキルを効果的に見せられれば、十分にチャンスは得られます。
1.ポートフォリオは「ビジュアル+構造」で魅せる
閲覧者が見やすく・わかりやすく・信頼できると感じられるポートフォリオを作りましょう。以下のような構成がおすすめです。
- 自己紹介(活動歴、得意領域、対応可能な業務)
- 実績紹介(プロジェクト名・概要・成果・担当範囲)
- 使用スキル(ツールや技術、使用期間の目安)
- クライアントの声(あれば)
- 連絡先or問い合わせリンク
画像やビジュアルで成果物を見せられると、文字だけよりも訴求力が上がります。Web制作者やデザイナーであれば、PDFやNotion、ポートフォリオサイト(Behance、Foriioなど)も活用しましょう。
2.実績がない場合は「仮想案件」や「自主制作」で補う
営業経験も実績もない段階では、「架空の課題に対して提案した制作物」「自主的に作った資料・記事」でも構いません。
重要なのは、「実際にこの人に頼んだらこういうアウトプットが返ってくる」とクライアントがイメージできることです。
SNSやブログの活用方法
営業メールやポートフォリオと並行して、自分の存在を広く知ってもらう手段として有効なのが「SNSやブログによる発信」です。これは、営業活動の“受け皿”や“裏付け”にもなり得ます。
1.SNSは“プロ意識”を持った発信を
X(旧Twitter)やInstagram、LinkedInなどを使って、以下のような情報を発信しましょう。
- 制作実績の紹介(納品後、クライアントの許可を得た上で)
- スキルアップや学びの記録
- 業界情報やトレンドのシェア
- 自分の考えや価値観の発信
発信の一貫性を保つことで、「この人はこういう仕事をしているフリーランスなんだな」と認識されやすくなります。
2.ブログは“検索される営業マン”
WordPressやnoteを活用して、自分の専門領域に関する記事を定期的に投稿するのも効果的です。「◯◯フリーランス」などの検索ワードから案件の問い合わせが来る可能性もあり、まさに“検索される営業マン”として機能します。
記事のテーマ例
- 自分の仕事術・業務フロー
- 得意分野の解説記事
- 実績の裏話や工夫した点
- 業界の最新動向と考察
ブログとSNSは相互リンクさせておくことで、営業の導線として強化できます。
このように、営業経験ゼロでもフリーランスとして案件を獲得する手段は数多くあります。重要なのは、「相手の立場に立って考えること」「見せ方を工夫すること」「継続的に発信を続けること」の3点です。
参考:フリーランスの営業のやり方10選!成功のポイントや案件獲得方法を解説
営業活動の幅を広げる!おすすめのサービス5選

営業経験のないフリーランスにとって、自分一人で営業活動を行うのはハードルが高いと感じるかもしれません。しかし近年は、フリーランス向けに案件獲得を支援するエージェントやマッチングサービスが充実しており、営業活動を効率化することが可能です。
これらのサービスを活用すれば、営業に時間をかけすぎずに、自分のスキルに合った案件を獲得できるため、実務に集中できる環境が整います。ここでは、営業活動の幅を広げるために活用できるおすすめサービスを5つのカテゴリに分けて紹介します。
エージェントサービスを活用する
フリーランス向けエージェントは、登録者のスキルや経験に合った案件を紹介してくれる仲介型のサービスです。営業活動を代行してくれるのが大きなメリットで、営業が苦手なフリーランスにとっては非常に心強い存在です。エージェントによっては面談対策や単価交渉、契約サポートも行ってくれるため、営業にかかる手間を大幅に軽減できます。
Anycrew/HiPro/レバテックフリーランスなど
Anycrew(エニィクルー)
Anycrewは、フリーランスと企業のマッチングに特化したプラットフォームで、営業・マーケティング・事業開発など非エンジニア系の案件にも強みがあります。登録者のスキルや志向に合った案件を紹介してくれるだけでなく、コミュニティを活かした繋がりも特徴です。紹介制度もあるため、ネットワークを活かした営業がしやすい点も魅力です。
HiPro(ハイプロ)
パーソルグループが運営するHiProは、即戦力人材向けのフリーランスエージェント。営業職の中でもコンサルティング、事業開発、新規営業など幅広い案件を扱っています。報酬水準も比較的高く、年収アップを目指す営業フリーランスにもおすすめです。
レバテックフリーランス
エンジニア・デザイナー系に強い印象のあるレバテックですが、近年ではIT営業やセールスディレクター向けの案件も増えています。週2~3日勤務やリモート案件も多く、柔軟な働き方をしたい人に適しています。登録後のサポート体制も充実しており、営業経験が浅い人でも安心して利用できます。
クラウドソーシングで案件を探す
営業に慣れていないフリーランスにとって、クラウドソーシングサービスは最も手軽に案件を探せる方法のひとつです。クライアントが掲載した募集案件に対して提案を送るスタイルで、営業メールや面談などのステップが簡略化されているのが特長です。
提案文や実績が鍵になるため、初期段階では案件獲得までに時間がかかることもありますが、実績を積むことで高単価案件へのアクセスも可能になります。
Lancers/クラウドワークスなど
Lancers(ランサーズ)
日本最大級のクラウドソーシングサイト。営業代行、営業資料作成、アポ取り、マーケティング支援など、営業に関連する案件も豊富に掲載されています。初心者歓迎の案件も多く、営業未経験のフリーランスでもチャレンジしやすいのが特徴です。プロフィールや提案文をしっかり作り込めば、リピートにもつながりやすくなります。
クラウドワークス
Lancersと並ぶ国内大手のクラウドソーシングサービスで、営業に関する案件も多数。中にはインサイドセールスやテレアポ業務、営業支援ツールの運用など、リモートで完結する仕事も多く掲載されています。企業側も「フリーランスとの取引」に慣れていることが多く、安心して応募できます。
クラウドソーシングの活用ポイントは、単価の低い案件ばかりを選ぶのではなく、「実績作り+評価獲得」を戦略的に進め、徐々に高単価案件にシフトしていくことです。
営業代行マッチングサービスを利用する
営業力を活かしたいフリーランスや、法人営業の経験を持つ人には「営業代行マッチングサービス」の活用がおすすめです。営業代行とは、クライアント企業に代わって商品やサービスを販売する業務で、成果報酬型や固定報酬型など、さまざまな働き方が選べます。
マッチングサービスを使えば、営業案件を探しながら、自分のスタイルに合った業務を受けられるため、営業職としてフリーランス活動を行いたい人にとっては最適な選択肢です。
kakutoku/Saleshubなど
kakutoku(カクトク)
営業職特化型のマッチングプラットフォームとして急成長しているサービスです。BtoB営業、フィールドセールス、インサイドセールス、SaaS商材など、専門性の高い営業案件が多数掲載されています。報酬は固定+成果報酬のハイブリッド型も多く、スキルに応じた収入が期待できます。
kakutokuの特長は、「スキルタグ」や「評価制度」が整っており、営業職としての経験や実績を見える化できる点です。自分の強みを明確にし、企業側にアピールしやすくなります。
Saleshub(セールスハブ)
Saleshubは「つながり」を活かす営業マッチングサービスです。ユーザー自身の人脈を通じて企業と企業をつなげることで、紹介料を得られる仕組みになっています。営業活動というより“マッチング支援”に近い側面があり、人脈が豊富なフリーランスや、過去に営業職として広いネットワークを築いた方に向いています。
特にスタートアップや中小企業の営業支援に強く、営業の自由度が高いのも特徴です。SNSでの発信やイベント参加といった活動を通じて、間接的に案件に結びつけるスタイルを取りたい方にもおすすめです。
まとめ:サービスを賢く使えば、営業はもっとラクになる
フリーランスにとって営業は重要ですが、すべてを一人で抱える必要はありません。今回紹介したようなサービスを活用すれば、案件探しや営業の負担を減らしつつ、自分の得意分野に集中することができます。
- エージェントで安定的に高単価案件を確保する
- クラウドソーシングで経験を積みながら徐々に単価を上げる
- 営業代行で営業スキルをそのまま収入に変える
このように、営業活動の幅を広げる手段は多様化しています。自分に合った方法を見つけて、無理なく効率的に案件を獲得していきましょう。
参考:フリーランスの営業方法9選|営業が苦手な方が案件を獲得を成功させるコツと注意点も紹介
フリーランスの営業代行という働き方もある

フリーランスといえばライターやエンジニア、デザイナーなど、制作系の職種が注目されがちですが、近年は「営業代行」という職種でもフリーランスとして働く人が増えています。特に法人営業の経験を持つ人や、顧客とのコミュニケーションが得意な人にとっては、営業代行はスキルをそのまま収入に変えられる魅力的な働き方です。
営業代行のフリーランスは、企業に代わって商品やサービスの提案、商談、受注獲得などを担う役割を持ちます。企業にとっても「営業部門を社内に持たずに済む」「即戦力を外注できる」といったメリットがあるため、ニーズが年々拡大しているのが特徴です。
この章では、フリーランスによる営業代行の仕事内容や働き方の種類、報酬体系と収入の目安について詳しく解説します。
営業代行の仕事内容と種類
営業代行として働くフリーランスの仕事は多岐にわたります。営業といっても、その業務範囲やアプローチ手法はさまざまで、自分の得意分野やライフスタイルに合わせて選べるのが魅力です。
テレアポ/インサイドセールス/フィールドセールス
テレアポ(電話営業)
テレアポは、電話を通じて新規の顧客にアプローチし、商談のアポイントを獲得する仕事です。アポイントの獲得数によって成果報酬が支払われることが多く、成果が数字として明確に出る点が特長です。営業トーク力やトークスクリプトの活用スキルが求められます。
インサイドセールス
電話やメール、チャットなど非対面の手法で顧客とコミュニケーションをとり、商談の前段階であるリード育成(ナーチャリング)を行うスタイルです。SaaS企業やITベンチャーなどで導入が進んでおり、フルリモートでの稼働も可能なため、在宅ワークを希望する営業フリーランスに人気があります。
フィールドセールス(訪問営業)
対面でクライアントと商談を行い、受注までを担当する営業スタイルです。高単価の商材や法人向けサービスの営業に多く、クロージング(契約獲得)のスキルが重視されます。外出が必要になることが多い分、1件あたりの報酬が高い傾向があります。
これらの業務は一人で完結するケースもあれば、マーケティングチームや他の営業メンバーと連携して行うケースもあります。自身の得意領域や営業スタイルに応じて選択するとよいでしょう。
参考:営業代行フリーランスのやり方|案件獲得法や成功のポイントを解説
報酬体系と収入の目安

営業代行としてのフリーランス活動では、案件ごとに報酬体系が異なります。自分の営業スタイルや収入の安定性を重視するかどうかによって、最適な契約形態を選ぶことが重要です。
固定・成果・複合報酬の違い
固定報酬型
あらかじめ月額報酬や業務単位で報酬が決められている契約形態です。たとえば「月10万円で週2日稼働」「1日3時間稼働で時給制」といった形式です。
毎月安定した収入が得られる反面、成果に応じた報酬アップは期待しにくく、業務量が多いと報酬とのバランスが悪くなることもあります。営業経験が浅く、まずは安定した形で始めたいフリーランスに向いています。
成果報酬型
案件の受注数やアポイント獲得件数、売上に応じて報酬が支払われる成果主義型の契約です。たとえば「1件受注で5万円」「アポ1件で5,000円」などが代表例です。
実力次第で高収入を狙える反面、成果が出なければ報酬はゼロになるリスクもあります。営業経験が豊富で、成果に自信がある人に向いています。
複合報酬型(固定+成果)
一定の固定報酬に加え、成果に応じたインセンティブが支払われるバランス型の報酬体系です。たとえば「月5万円の基本報酬+受注1件につき3万円」といった形です。
リスクとリターンのバランスが取れており、多くの企業で採用されているスタイルです。営業代行として安定性も成果も求めたいフリーランスには最適です。
営業代行の収入の目安
営業代行として活動するフリーランスの収入は、業務内容や案件単価、働き方によって大きく異なりますが、以下が一つの目安となります。
- テレアポ(アポ1件あたり):3,000円〜8,000円
- インサイドセールス(時給または月額):時給1,500円〜3,000円、月額10万〜30万円
- フィールドセールス(成果報酬):1件の契約で5万〜30万円超
- 複合型:月額10万〜+インセンティブで月収50万円以上も可能
特にIT商材やBtoBサービスの営業代行は単価が高い傾向にあり、経験と実績を積めば、会社員時代以上の収入を得ることも十分に可能です。
営業代行という働き方は、「営業力をそのまま武器にしたいフリーランス」にとって、非常に魅力的な選択肢です。スキルや実績を活かしながら、自分のペースで自由に働ける点も、フリーランスにとって大きなメリットとなるでしょう。
参考:フリーランスの営業代行におすすめの案件募集・マッチングサイト5選!
営業で失敗しないための注意点と成功のコツ

フリーランスとして営業活動を行ううえで、避けて通れないのが「営業の失敗リスク」です。せっかく時間をかけて提案しても仕事につながらなかったり、受注してもトラブルに発展してしまったりと、営業には多くの落とし穴が潜んでいます。
しかし、あらかじめ注意すべきポイントと成功のための習慣を理解しておけば、そうしたリスクを大幅に回避し、安定した案件獲得につなげることができます。
この章では、営業で失敗しないためにフリーランスが意識すべき2つの重要ポイント「契約や報酬の確認」「スキルアップと人脈形成」について解説します。
契約内容や報酬体系の確認は必須
フリーランスの営業におけるトラブルの多くは、「契約条件の不明確さ」や「報酬に関する認識のズレ」から生じます。対面やチャットでのやり取りだけで進めてしまい、後から「言った・言わない」の問題になるケースも少なくありません。
契約前に確認すべき項目
- 報酬の金額と支払いタイミング(固定報酬か成果報酬か/いつ支払われるか)
- 業務の範囲とゴールの定義(何を納品・達成すれば報酬対象になるか)
- 稼働時間・対応可能な時間帯(連絡手段や応答のタイミングも含む)
- 契約期間と更新条件(期間限定か継続前提か、解約はどのようにできるか)
これらは、できれば書面や契約書、もしくはメール・チャットなど記録に残る形で明文化しておくのが望ましいです。クラウドソーシングやエージェント経由であれば、運営会社が間に入ってくれることもありますが、直接契約する場合は自己防衛が必要です。
また、営業代行の場合は「成果の定義」が曖昧だとトラブルにつながりやすいため、「アポの設定だけで報酬が出るのか?」「受注までが条件なのか?」といった点を事前に明確にしておきましょう。
スキルアップと人脈形成を怠らない
営業活動は「技術」でもあり、「信頼の積み重ね」でもあります。提案スキルやクロージング力といったテクニカルなスキルを磨くことに加えて、良好な人間関係や信頼できるネットワークを築くことも、長期的な営業成功には欠かせません。
スキルアップの方法
- 営業関連の書籍や動画で基本を学ぶ
- 営業代行マッチングサービスで実践を積む
- SFA(営業支援ツール)やCRMの活用スキルを習得する
- 提案書や営業メールのテンプレートを定期的に更新する
営業経験が浅い場合は、営業支援ツールやエージェントのサポートを活用することで、効率的に営業のPDCAを回すことができます。
人脈形成が案件につながる理由
営業フリーランスにとって、知人や過去の取引先からの紹介は極めて強力な案件獲得ルートです。紹介で得た案件は信頼関係が事前に形成されているため、商談や契約がスムーズに進む傾向があります。
- SNSでの発信を通じて「何ができる人か」を見える化する
- フリーランス向けイベントやオンラインコミュニティに参加する
- 過去のクライアントや同業者と定期的に連絡を取る
このように、継続的な関係構築とオンライン上での“営業ブランディング”を意識することで、受け身でも仕事が入る仕組みを作ることが可能です。
フリーランスとして営業に取り組む際は、案件を獲得することだけに意識が集中しがちですが、その裏にある「契約の健全性」や「長期的な信頼構築」が、安定した働き方につながります。営業は一度覚えてしまえば、どんな職種でも活かせる“普遍的なスキル”です。日々の行動の中で磨き続ける意識を持ちましょう。
参考:フリーランスは営業が課題!営業経験がなくてもフリーランスで成功する方法
よくある質問

Q.営業職の経験がなくても仕事は取れる?
はい、営業職の経験がなくてもフリーランスとして仕事を獲得することは可能です。特に近年は、クラウドソーシングやエージェントサービス、SNSを通じた発信によって、自分のスキルや実績を「営業」なしでもアピールできる仕組みが整っています。
営業に苦手意識がある方は、まずは提案文のテンプレートを活用したり、ポートフォリオを整備したりすることから始めると良いでしょう。クライアントが「この人なら任せられそう」と感じる“見せ方”を工夫するだけで、実績ゼロの状態からでも案件につながるケースは多くあります。
また、営業代行やマッチングサービスでは、あらかじめ用意された営業マニュアルやトークスクリプトを使うことも可能なため、経験がなくても安心してスタートできます。
Q.営業代行の仕事は安定している?
営業代行の仕事は「安定している」とは一概に言えませんが、工夫次第で継続的に案件を得ることは十分可能です。特に固定報酬型や複合報酬型の案件を選ぶことで、月額ベースでの安定収入を確保できるケースもあります。
一方で、完全成果報酬型の営業代行は収入が不安定になりがちです。受注がなければ報酬もゼロになるため、自信がつくまではサポート体制の整った案件や、難易度の低いアポ獲得業務から始めるのが良いでしょう。
安定性を求めるのであれば、エージェント経由で定期案件を受ける、複数の案件を同時に並行して持つ、特定分野の知識を深めて専門性を高めるといった工夫が効果的です。
Q.営業活動に費やす時間の目安は?
営業にかける時間はフリーランスの働き方や目指す収入によって異なりますが、週5日稼働のフリーランスの場合、週に3〜5時間程度を営業活動に充てるのがひとつの目安です。
営業活動には以下のような業務が含まれます:
- クライアントのリサーチ
- 提案書や営業メールの作成
- SNSでの発信やポートフォリオの更新
- 見込み顧客とのやり取りやフォロー
- 商談や打ち合わせの時間
案件を抱えている期間は営業が後回しになりがちですが、継続的に営業の時間を確保することで“案件の谷間”を防ぎ、安定した受注につながります。Googleカレンダーなどを使って営業時間をブロックしておくのもおすすめです。
参考:フリーランスが仕事をとるための営業方法|成功のコツを伝授
営業力をつけてフリーランスとしての可能性を広げよう

フリーランスとして長く安定的に活動していくためには、専門スキルだけでなく「営業力」も大きな武器になります。営業職の経験がなくても、提案の仕方や自己アピールの方法、ポートフォリオの整備、SNSでの発信など、始めやすい手段はたくさんあります。
また、営業代行という働き方を選べば、自ら営業をする側ではなく、「営業すること」そのものが収入になる道も開けます。報酬体系や働き方を工夫すれば、安定した収入を確保しながら、自分の裁量で働くことも可能です。
「営業が苦手」と感じる方も、最初の一歩を踏み出すことで、自分の可能性を大きく広げることができます。スキルや経験を活かして、自由で持続的なフリーランスライフを実現するために、今こそ営業力を磨いていきましょう。