請求書のみでファクタリングは利用可能?個人事業主におすすめの書類の少ない業者7選!

資金繰りに悩む個人事業主にとって、必要書類が少なくスピーディーに利用できるファクタリングは大きな助けとなります。「請求書だけで利用できるのか?」「通帳や決算書は不要なのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。
本記事では、請求書のみで利用可能なファクタリングの仕組みや注意点を解説し、書類が少なく手軽に利用できるおすすめの業者7選を紹介します。最小限の手間で資金調達したい方に役立つ内容です。
請求書のみでファクタリングは本当に利用できる?

「請求書のみでファクタリングを利用できるのか?」という疑問は、資金繰りに悩む個人事業主にとって非常に関心の高いテーマです。とくに、開業して間もない個人事業主や、手元に書類が少ないフリーランスにとっては、煩雑な手続きなしでスピーディーに現金化できるサービスを望む声が多く聞かれます。
この記事では、「請求書のみでファクタリングは利用できるのか?」という問いに対して、基本的なルールと例外、そして通帳などの書類を提出せずに対応できるファクタリングサービスの可能性について解説します。
原則として請求書だけでは利用できない
結論からいうと、原則として「請求書のみ」でファクタリングを利用することはできません。ファクタリングは、売掛金の存在や継続性、支払能力を審査する仕組み上、請求書だけでは信頼性の担保が難しいからです。
多くのファクタリング会社では、最低限でも以下のような書類の提出を求められます。
- 請求書(売掛債権の存在証明)
- 通帳のコピー(入出金の実績確認)
- 本人確認書類(免許証、保険証など)
このように、請求書だけで資金化するのは現実的ではなく、「最低2〜3点の書類提出」が一般的な条件となります。
また、中小企業金融サポート機構や南青山会計ファクタリングなどの大手事業者の情報を見ても、「請求書のみでは不可」「通帳のコピーは必須」と明言している例が多数あります。
請求書のみで可能なケースとは?
ただし、一部の条件下では「請求書のみ」でも審査が通るケースが存在します。たとえば、以下のようなパターンです。
- 過去にその業者でファクタリングを利用したことがあり、取引実績がある場合
- 継続的な売掛先との取引があり、信用力が高い場合
- 審査を簡略化する「少額・短期」の即日資金調達プランに申し込んでいる場合
たとえば、QuQuMo(ククモ)では「請求書と通帳コピーの2点」で対応できることが明示されていますが、条件によっては通帳の省略が可能なケースもあるとされています。
さらに、請求書の発行先が「上場企業」や「大手企業」であり、売掛先の信用力が非常に高い場合には、書類の提出条件が緩和されることがあります。これらはあくまで例外的なケースであり、すべての個人事業主が請求書だけで利用できるわけではない点には注意が必要です。
書類なし・通帳なしで利用できるファクタリングはある?
「通帳なし」「本人確認書類なし」など、ほとんど書類を提出しなくても使えるファクタリングがあれば理想的ですが、現在のところ、完全に「書類なし」で利用できるファクタリングサービスは存在しません。
ただし、以下のような「書類が少ない」ことを特徴としたファクタリング業者は存在します。
- ペイトナーファクタリング:請求書+本人確認書類のみで利用可能。最短10分入金対応。
- フリーナンス:初回利用時に3点の書類提出で、2回目以降は簡略化される。
- ベストファクター:請求書と通帳のコピーのみで審査可能。オンライン完結。
これらのサービスでは、書類提出の手間が少なく、特に個人事業主向けに審査を簡略化している点が特徴です。とはいえ、完全に「請求書のみ」ではなく、最低限の本人確認書類や通帳コピーなどは求められるため、準備が必要です。
また、ラボルやみんなのファクタリングなどでは、AIによるスピード審査やチャットベースのやり取りで、書類のアップロードもスマホ一つで完結するため、実質的な負担は少なくなっています。
個人事業主がファクタリングを「請求書のみ」で利用するのは、原則として難しいといえます。ただし、一部のファクタリング会社では条件付きで「ほぼ請求書のみ」で対応可能な場合もあります。重要なのは、「書類をどこまで準備できるか」と「売掛先の信用力」です。
参考:ファクタリングは請求書のみでの利用はNG!最低限必要な書類と提出書類の少ない会社
ファクタリングで必要となる主な書類一覧

ファクタリングを利用する際には、必ずいくつかの書類を提出する必要があります。とくに個人事業主が「請求書のみでファクタリングを利用したい」と考えていても、実際には追加書類の提出を求められるケースが多いため、事前に必要書類を把握しておくことが非常に重要です。
この章では、ファクタリングで求められる最低限必要な書類と、場合によって追加で求められる書類について具体的に解説していきます。
最低限必要な書類はこの2点
多くのファクタリング会社が提示している基本的な提出書類は、以下の2点です。個人事業主の場合でも、これはほぼ必須と考えてよいでしょう。
請求書
ファクタリングの対象となるのが「売掛金」である以上、その存在を証明する請求書の提出は不可欠です。請求書には以下の情報が記載されている必要があります。
- 売掛先(取引先)の会社名・住所・連絡先
- 売上の内容や納品日、支払い期日
- 金額と消費税の明記
- 振込先口座情報(任意)
請求書が曖昧な形式であったり、売掛先の情報が不明確だったりすると審査に通りにくくなるため、正確かつ取引事実が明確にわかる請求書を用意しましょう。
通帳のコピー(3ヶ月分)
請求書と並んで提出が求められるのが、取引口座の通帳コピー(過去3ヶ月分)です。これは、実際に売掛先から入金された実績があるかを確認するために使われます。
とくに個人事業主の場合、継続的な入金履歴があることで信頼性が高まり、審査の通過率が上がります。紙の通帳を使用していない場合は、インターネットバンキングの取引履歴をPDFなどで出力して提出することも可能です。
場合によっては提出を求められる書類
ファクタリング会社によっては、審査の内容や契約の種類に応じて、以下のような書類の提出を求めることがあります。とくに初回利用や大口取引を希望する場合は、提出を前提に準備しておくと安心です。
身分証明書
個人事業主本人の確認のため、運転免許証や健康保険証、マイナンバーカードなどの本人確認書類が必要になります。ファクタリングは金融取引の一種であり、本人確認が法律で義務づけられているため、省略はできません。
開業届・確定申告書
開業届や確定申告書は、個人事業としての実態を示すために使われます。とくに開業間もない場合や売上規模が小さい場合、ファクタリング会社は申請者の事業の継続性や信頼性を重視します。
開業届は税務署に提出した控え(受付印付き)を、確定申告書は直近1〜2年分を準備しておくとスムーズです。
発注書・納品書・契約書類
ファクタリングの審査では、請求書だけではなく「売掛金の裏付け」が重要です。発注書や納品書、売掛先との基本契約書などを合わせて提出することで、取引の信頼性を補強できます。
特に、取引が初めての売掛先の場合や請求書に不備がある場合には、これらの書類の提出が求められるケースが多くなります。
印鑑証明書や住民票など
個人事業主が高額のファクタリングを申し込む場合や、契約書面の郵送を必要とする業者を利用する場合には、印鑑証明書や住民票といった公的書類の提出を求められることもあります。
これらは、契約の正当性を担保するための手続きの一環であり、一般的にオンライン完結型よりも書類の多いファクタリング会社で要求される傾向があります。
ファクタリングの申請には、基本的に「請求書」と「通帳コピー」の2点が必要ですが、審査内容によっては追加の書類が求められることがあります。とくに個人事業主は「身分証明書」「開業届」「確定申告書」などの準備もしておくことで、スムーズな審査と入金が期待できます。
参考:ファクタリングで請求書のみの業者はある?必要書類を詳しく解説
個人事業主におすすめ!書類の少ないファクタリング業者7選

個人事業主がファクタリングを利用する際、「請求書のみで使えるのか?」「書類提出が少ない業者はあるのか?」といった疑問を抱える方は少なくありません。とくに開業間もない個人事業主や、急ぎで資金調達をしたいフリーランスにとっては、必要書類が少なく、スピーディーに利用できるファクタリングサービスは非常に魅力的です。
ここでは、「請求書のみ」あるいは「最小限の書類」で利用できるファクタリング会社を7社厳選してご紹介します。いずれも個人事業主の利用実績があり、少額対応や即日入金、オンライン完結などの利便性も高いサービスばかりです。
QuQuMo(ククモ)|請求書と通帳コピーのみ、最短2時間で入金
QuQuMo(ククモ)は、オンライン完結型のファクタリングサービスで、個人事業主から高い支持を得ています。最大の特徴は、必要書類が「請求書」と「通帳コピー」の2点だけで済むこと。
初回申込時から審査・契約・入金まですべてWEBで完了し、最短2時間での即日入金も可能。また、AIを活用した審査により、申し込みから結果通知までのスピードも非常に早く、急な資金需要にも柔軟に対応します。
- 最小買取額:10万円〜
- 手数料目安:2〜10%程度
- 土日対応:不可(平日のみ)
- 対象:法人・個人事業主
「通帳提出だけでOK」という手軽さが、忙しい個人事業主にとって大きなメリットです。
ペイトナーファクタリング|本人確認+請求書のみ、最短10分
ペイトナーファクタリングは、「請求書+本人確認書類」の2点で申し込み可能な、少額対応型のファクタリングサービスです。とくに個人事業主やフリーランスを対象としたサービス設計となっており、少額(30万円以下)から利用できます。
最大の魅力は最短10分で審査・即日入金が可能なスピード感。スマホ1つで完結し、事前登録しておけば2回目以降はさらにスムーズです。
- 最小買取額:1万円〜
- 手数料:一律10%(固定)
- 対応時間:平日9:00〜18:00(チャット)
- 特徴:30万円以下の請求書に特化
「請求書のみで申請できる感覚」に近く、最も手軽に始められるサービスのひとつといえるでしょう。
ラボル|請求書とエビデンスのみ、土日祝日も対応
ラボルは、請求書とエビデンス(納品書や契約書など)の2点で申込みが可能な、クラウド型のファクタリングサービスです。AIによる自動審査と電子契約を活用しており、最短30分で入金されるスピード対応が強み。
さらに、土日祝日も即日入金に対応しており、休日に資金が必要になった場合にも対応できる数少ないファクタリング業者です。
- 対象:個人事業主・法人(小規模事業者歓迎)
- 土日祝対応:○
- 書類提出:請求書・取引証明書類
- 入金スピード:最短30分〜
「書類が少ない」だけでなく、休日対応・AI審査といった柔軟性も兼ね備えたサービスです。
フリーナンス即日払い|3点のみ、損害保険付きで安心
フリーナンスは、GMOグループが運営するフリーランス・個人事業主特化型のファクタリングサービスです。即日払いサービスでは、「請求書」「本人確認書類」「通帳コピー」の3点のみで利用可能です。
また、業界では珍しい「損害賠償保険」が無料で付帯されており、万が一のトラブルにも安心。IT業界やクリエイティブ業のフリーランスを中心に高い人気を誇ります。
- 即日払い対象:FREENANCE口座利用者
- 必要書類:初回のみ3点、2回目以降は省略可能
- 対象:フリーランス・個人事業主
- 入金まで:最短30分〜数時間
「保険付き」「実績重視のリピーター優遇」など、長期的な利用にも向いているサービスです。
ベストファクター|通帳コピーと請求書のみで面談不要
ベストファクターは、通帳コピーと請求書の2点で申し込み可能なオンライン完結型ファクタリングです。対面での面談や電話確認が原則不要で、初回取引でも最短即日入金が可能。
個人事業主でも利用しやすい柔軟な対応をしており、事業実績の浅い方や副業的に収入を得ているフリーランスでも審査対象になります。
- 書類提出:通帳コピー(3ヶ月分)・請求書
- 手数料:3%〜10%(目安)
- 最低利用額:10万円程度〜
- オンライン契約:可
「電話も面談も不要でスムーズに入金される」のが魅力です。
アクセルファクター|必要書類柔軟対応、少額でもOK
アクセルファクターは、大手が運営する信頼性の高いファクタリングサービスで、書類提出の柔軟性に優れている点が特長です。個人事業主や創業間もない事業者にも積極的に対応しており、「請求書」「通帳」「本人確認書類」の基本書類を提出すれば審査が可能。
また、他社で審査に落ちた方や、個人間債権の相談にも対応しているため、少額・難しい案件にも応じてくれる柔軟性の高い業者です。
- 最低申込額:30万円〜
- 土日対応:一部可
- 書類数:原則3〜4点、相談により削減可能
- 特徴:全国対応・訪問不要
「ほかで断られた人の駆け込み寺」としても知られています。
日本中小企業金融サポート機構|書類4点、高い信頼性
書類数こそ4点と他社より多めですが、日本中小企業金融サポート機構は公共性の高い信頼性ある機関であり、個人事業主にも積極的に対応しています。
提出書類は「請求書」「通帳」「本人確認書類」「開業届または確定申告書」で、対応が丁寧で安心して利用できるのが特長。取引額も比較的大きく、まとまった資金調達を必要とする個人事業主に向いています。
- 書類提出数:4点
- 審査時間:即日〜2営業日
- 手数料:1.5%〜(低水準)
- 対応業種:幅広く対応可
「信頼性と実績を重視する個人事業主」には特におすすめです。
参考:請求書のみでファクタリングは利用可能?その真相と必要な書類が少ない会社を紹介
書類が少ないファクタリングのメリット・デメリット

書類提出を最小限に抑えたファクタリングは、近年多くの個人事業主から注目を集めています。「請求書のみで利用できる?」「通帳なしでも申し込める?」という疑問に応えるような、手間のかからないファクタリングサービスが登場したことで、よりスピーディーな資金調達が実現しやすくなりました。
しかし、書類が少ないことには当然ながらメリットとデメリットの両面があります。本章では、個人事業主がファクタリングを利用する際に知っておくべき「書類が少ないファクタリング」の特徴を詳しく解説します。
メリット|オンライン完結・即日入金に期待
書類が少ないファクタリングの最大のメリットは、手続きが簡易でスピーディーに完了することです。とくに次のような利点が挙げられます。
1.オンライン完結で手間がかからない
多くの業者がオンライン申請に対応しており、請求書や本人確認書類をスマホで撮影・アップロードするだけで申し込みが完了します。郵送や来店の必要がなく、遠方からでも気軽に利用できるのが魅力です。
2.即日入金に対応している業者が多い
必要書類が少ない=審査項目が絞られるため、審査から入金までが非常にスピーディーです。たとえば、ペイトナーファクタリングでは最短10分、QuQuMoでは最短2時間で入金されるケースもあります。
これは、急な支払いに迫られた個人事業主にとって大きなメリットです。
3.少額・単発の利用にも対応
書類提出のハードルが低いため、「30万円以下の少額案件」「一時的な資金不足」などにも柔軟に対応できるのが特徴です。副業的に事業を行っている人や、起業間もない個人事業主でも利用しやすいサービスが増えています。
デメリット|手数料が高く、審査通過率が下がることも
書類が少ないファクタリングには利便性の高さがありますが、その一方で注意すべき点もいくつか存在します。
1.手数料が高めに設定されている傾向
ファクタリング会社側から見ると、書類が少ない=与信判断に必要な情報が限られるため、リスクが高くなります。
そのリスクヘッジとして、手数料を高く設定している業者も多いのが実情です。
たとえば、通常のファクタリングでは2〜10%の範囲であるのに対し、書類が少ない業者では10〜15%といった割高な手数料が適用されることも珍しくありません。
2.審査通過率が売掛先の信用力に依存する
請求書以外の書類を提出しない分、審査では「売掛先の信用力」が重視されます。
そのため、以下のようなケースでは審査落ちとなる可能性が高くなります。
- 売掛先が個人や個人事業主である
- 取引実績がない新規取引先の請求書である
- 請求書の形式や内容が曖昧で信用性に乏しい
個人事業主であっても、取引先の信用状況が弱い場合は、請求書のみでは審査を通過しづらい点には注意が必要です。
二重譲渡・書類偽造などのリスクにも注意
書類提出が少ないことで審査が簡略化される一方、ファクタリング契約における法的なリスクやモラル面の注意点も無視できません。
1.請求書の二重譲渡は重大な契約違反
一つの請求書を複数のファクタリング会社に提出して資金化する「二重譲渡」は、民法上の契約違反にあたる可能性があります。
万が一発覚すれば、損害賠償や法的措置を受けるリスクがあるため、請求書の管理と提出先の記録は厳密に行う必要があります。
2.書類偽造は詐欺罪に問われる可能性も
請求書の金額改ざん、売掛先の捏造など、実態のない書類で資金を得ようとすると、詐欺罪や私文書偽造罪に該当する場合があります。
とくに「請求書のみで申し込める」という点に魅力を感じて安易に利用するのではなく、正確な書類提出と正規の取引記録の保持が大前提です。
3.書類が少ない=確認事項も少ないではない
一見シンプルに見える手続きでも、ファクタリング会社側では請求書の内容や支払期日、売掛先の評判などを細かく調査しています。
「通帳や契約書を出していないから、確認されていない」ということではなく、むしろ書類が少ない分、より慎重にチェックされていると理解しておくべきです。
「書類が少ないファクタリング」は、手間をかけずにスピーディーに資金調達したい個人事業主にとって非常に有効な手段です。オンライン完結や即日入金などのメリットは大きい一方で、手数料の高さや審査の厳しさ、法的なリスクについても十分理解しておく必要があります。
安易に「請求書のみでOK」と考えるのではなく、自身の事業状況や売掛先の信頼性を正しく把握したうえで、信頼できる業者を選び、適切に利用することが成功への第一歩です。
参考:必要書類が少ないファクタリング業者10選!請求書のみはない?
ファクタリングを利用する前に知っておきたい注意点

ファクタリングは、請求書を現金化できる便利な資金調達手段として、個人事業主の間でも広く活用されるようになっています。特に「請求書のみで申し込める」「書類が少ない」といった手軽さから、急ぎの資金繰りにも対応できる点が魅力です。
しかしその一方で、ファクタリングはれっきとした金融契約であり、事前に理解しておくべき注意点がいくつか存在します。誤った知識や軽率な利用は、トラブルや信用低下を招く可能性があるため、申し込む前に必ず以下のポイントを確認しましょう。
請求書の信頼性・整合性が審査のカギ
ファクタリングでは、提出した「請求書」の内容が審査の基礎になります。請求書は売掛債権の存在を証明する最重要書類であり、その正確性や信頼性が審査の通過率に大きく影響します。
具体的には、以下の点がチェックされます。
- 請求書に記載された取引内容と金額が、実際の業務内容と一致しているか
- 支払い期日が明確に記載されているか
- 売掛先の企業情報(社名、住所、連絡先など)が正確に記載されているか
- 過去の取引履歴と整合性が取れているか
請求書の内容が曖昧だったり、取引先との関係性が不明確だったりすると、ファクタリング会社は売掛金の信頼性に疑問を持ち、審査落ちとなるリスクが高まります。
とくに、個人事業主の場合は法人と違って信用情報が乏しいため、請求書そのものの質が審査突破のカギとなります。請求書の書式や記載内容に不備がないか、事前にしっかり確認しておきましょう。
手数料の上限・下限を事前に確認しよう
ファクタリングの利用にあたっては、手数料の条件を事前にしっかり把握しておくことが極めて重要です。とくに「書類が少ないファクタリング」や「請求書のみで利用できる」タイプのサービスでは、通常よりも手数料が高めに設定される傾向があります。
手数料には大きく2つの種類があります。
- 手数料の「下限」:最も低い料率。たとえば「2%〜」と書かれていても、ほとんどのケースでは最低では利用できません。
- 手数料の「上限」:最も高く請求される可能性のある料率。これが10%〜15%に設定されている業者もあります。
事前に明示されていない場合や、「見積もり後に大幅に手数料が上がる」といったケースも報告されており、契約前に上限・下限の範囲を明確に確認しておくことがトラブル防止の第一歩です。
個人事業主としてファクタリングを活用する際は、複数社から相見積もりを取って手数料を比較することが基本です。安さだけで選ぶのではなく、信頼性・サポート体制・振込スピードなども含めて総合的に判断しましょう。
同一請求書の複数利用は絶対にNG
「複数のファクタリング会社に同じ請求書を提出すれば、より多くの資金が手に入るのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、それは重大な契約違反であり、絶対にやってはいけない行為です。
これを「二重譲渡」と呼び、売掛金の権利を同時に複数社に譲渡することは、民法上違法となる可能性があります。
ファクタリング会社にとって、請求書の唯一性(他社で使われていないこと)は非常に重要な条件であり、申込時にも「同一債権の未譲渡確認」に関する誓約書への署名が求められることがほとんどです。
二重譲渡が発覚した場合には以下のリスクがあります。
- 契約解除・即時返金を求められる
- 損害賠償を請求される可能性
- 今後のファクタリング利用が事実上不可能になる
- 詐欺行為として刑事責任を問われることも
特に個人事業主にとっては、信用の失墜は今後の事業運営に大きな打撃を与えることになります。請求書は1つのファクタリング会社にしか使えないという原則を、必ず守りましょう。
請求書のみで利用できるファクタリングや、書類の少ないサービスは便利な反面、利用者側の適切な対応と注意が求められます。
- 請求書の整合性・信用性を高めること
- 事前に手数料条件を確認すること
- 二重譲渡などの禁止行為は絶対に避けること
こうしたポイントを押さえたうえで、信頼できるファクタリング会社を選び、ルールを守って活用することで、個人事業主としての資金調達力を高めることができます。
参考:個人間ファクタリング|個人事業主ファクタリングおすすめ8選!請求書のみ・甘い・通帳なしは?
よくある質問

Q.個人事業主でもファクタリングは使えますか?
はい、個人事業主でもファクタリングは問題なく利用可能です。従来は法人向けの資金調達手段とされていましたが、近年では個人事業主やフリーランスのニーズに対応した少額・短期対応のファクタリングサービスが増えています。
特に、オンライン完結型で手続きがシンプルな業者は、開業間もない方や副業として収入を得ている方でも利用しやすい仕組みとなっており、請求書さえ発行していれば申請対象になります。
ただし、売掛先の信用力や提出書類の整合性など、審査には一定のハードルがあるため、請求書の内容が明確であることが重要です。
Q.通帳なし・請求書だけで申し込める業者は?
原則として、通帳なしで完全に「請求書のみ」でファクタリングを利用することは難しいです。多くの業者が、売掛金の入金実績を確認するために「通帳のコピー(過去3ヶ月分)」の提出を必須としています。
ただし一部のファクタリング業者では、条件次第で通帳提出が省略されるケースもあります。たとえば、QuQuMoやラボルでは、売掛先との継続的な取引実績や信頼性が高い場合に、請求書とエビデンスのみで対応可能となるケースもあります。
どうしても通帳を提出できない場合は、クラウドバンキングのスクリーンショットや取引明細のPDFを代用できるか相談してみるのも一つの手です。
Q.開業したて・売掛先が個人でも使える?
開業直後の個人事業主でも、一定の条件を満たせばファクタリングは利用可能です。重要なのは「請求書の内容が実態を伴っていること」「売掛先が信頼できる法人や団体であること」です。
一方で、売掛先が個人(個人事業主や一般顧客)である場合は、審査に通らない可能性が高くなります。
多くのファクタリング会社では、法人や事業体との取引に限定しており、個人との契約では信用確認が困難であるためです。
ただし、ペイトナーファクタリングやアクセルファクターなど、一部の業者は個人債権にも柔軟に対応している場合があるため、利用を検討する際は対応範囲をしっかり確認しましょう。
Q.書類提出が少ないと審査に通りにくくなる?
はい、書類の提出が少ないほど審査通過率は低くなる傾向にあります。ファクタリング会社としては、提出書類が少ないと申込者の信用性や売掛金の信ぴょう性を十分に判断できないため、リスクを避けて「審査落ち」とするケースが多くなります。
特に個人事業主の場合は、法人よりも与信情報が限られるため、通帳の入金履歴や本人確認書類、開業届、契約書などを出すことで信用を補完することが重要です。
「請求書のみで利用したい」と思っていても、実際には2〜3点の書類提出が最低ラインとなることが多いため、審査通過を目指すなら可能な範囲で書類を準備しておくことが得策です。
参考:ファクタリングは請求書のみで利用できる?必要な書類を詳しく解説
請求書のみでも対応できる業者を選んで資金繰りをスムーズに

ファクタリングは、売掛金をすばやく現金化できる強力な資金調達手段として、個人事業主にとって非常に有効な選択肢です。とくに最近では、「請求書のみ」「書類提出が少ない」「オンライン完結」といった利便性に優れたファクタリングサービスが増えており、従来に比べて利用のハードルが大幅に下がっています。
ただし、書類が少ない分、手数料が高くなりやすい、審査が厳しくなりやすいといったデメリットも存在します。請求書の信頼性を確保し、必要書類をできる限りそろえておくことで、審査通過率や条件の優遇を受けやすくなります。
本記事で紹介したような、個人事業主に優しいファクタリング業者を選び、リスクを回避しながら賢く資金繰りを行うことが、事業継続のカギとなるでしょう。急な資金ニーズにも慌てず対応できるよう、今のうちに準備を進めておくのがおすすめです。